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無人化ビジネスが加速する時代の労働力とは

2019/10/07
フィンテック活用術第13回:無人化ビジネスが加速する時代の労働力とは

 

無人化ビジネスが加速する時代の労働力とは

交通機関のICカード化や銀行ATMなどのテクノロジーの発展により、これまで人が手作業で対応していた業務の自動化・無人化が顕著になってきています。そして、近年ではコンビニやスーパーなどのいわゆる客商売の領域に対して、いかに無人化対応を実現するかが議論の的となっています。現状では決済システムなどクリアすべき課題は山積するものの、顧客にとって無人化によるサービスの質の向上が期待できます。一方で、無人化によって労働者にはどんな変化が起こり得るのでしょうか?

店舗を中心に進む労働力の無人化

近年、日本国内に置いても自動精算機を導入することで、レジの自動化・無人化を実現している店舗が散見されるようになりました。日常生活の中で技術革新を感じられるシーンではありますが、そうした「労働力の無人化」の流れは国内以上に国外で活発な動きを見せています。現在では店舗の労働力をいかに削減するかが、世界規模での小売物業・流通業の革命につながると考えられています。

世界の中でも特に無人店舗の実用例が多いのが中国です。中国の市場調査機関「iResearch」によると、2017年中国の無人流通市場の規模は約3,200億円であり、2020年には約1兆600億円と3倍以上に膨れ上がると試算されています。特に中国のBingo Boxという無人コンビニは、2016年8月に初店舗をオープンしたばかりにもかかわらず、2018年末の時点で約300店舗に到達しています。この成長率からも市場のニーズがうかがい知れます。

かたや日本においては、中国に比べて後れ取っているのが現状です。その要因は決済システムの構築であり、無人化の要の部分において後塵を拝す結果となっています。しかし、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、サークルKサンクス、ミニストップの大手コンビニエンスストア5社では、会計を無人化したセルフレジを2025年までに国内全店舗に導入することを目指しているようです。日本のコンビニから店員がいなくなる日がそう遠くない未来に訪れるかもしれません。

求めるべきは省力化・人員削減ではなく快適性

コンビニやスーパーの無人化が進むことで、よりスムーズな買い物ができる点が顧客にとっては大きなメリットだと言えます。しかし、これまで店舗経営を支えていた労働者の視点に立つと、「職が奪われる」という危機感を覚えた方もいるでしょう。店舗の無人化によって省力化・人員削減が行われるのは確かですが、そこは第一に論じるべき点ではありません。なぜならその本質は顧客の快適性の追求にあるからです。

店舗の無人化によって顧客の快適性の追求を目指している企業の最たる例は、アメリカの大手ネット通販サイトAmazonが運営する「Amazon Go」です。Amazon Goではレジがない非常に先進的な店舗を実現しています。特にセキュリティや決済に関するシステムが充実していて、入る際に専用アプリで個人認証し、購入した商品はAmazonのアカウントに紐付けられたクレジットカードに請求される仕組みです。つまり、顧客は店内で商品を選ぶだけで買い物が成立します。

Amazon Goのように無人化システムが整理された店舗では行列の緩和が期待でき、スムーズな買い物が期待できるでしょう。その目的は無人化による省力化・人員削減ではなく、“カスタマーファースト”の理念に基づいており、経営の本質とも言えます。

雇用喪失を過度に心配する必要がないワケ

Amazon Goのような新たなテクノロジーを導入することは、元来労働者たちが懸命に働いていた業務を簡略化することにつながります。それは労働者の雇用喪失につながるとの声がありますが、過度にその心配をする必要はないでしょう。特に人口減少が顕著な日本では、もとより労働人口の減少が懸念されています。テクノジーを進歩させるには多くの人手が必要なので、労働者のエネルギーは今後そうした革新的なシステムの開発に注がれていくことでしょう。

無人化ビジネスの浸透で雇用が喪失するという思考に陥りがちではありますが、人を配置しないことの本質がユーザーメリットにあることを労働者も理解することが大切です。そして、労働者においては慢性的な労働力不足の日本では、今後いかに無人化ビジネスを活用して新たな価値を創出していくかに頭を働かせることに集中すべきでしょう。そうすれば職を失うどころか、労働者として急成長ビジネスの一翼を担うことも決して夢ではないのです。

 

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2019/10/07 更新

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