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得意を仕事にする働き方「スラッシャー」が増えた理由

2020/03/23
得意を仕事にする働き方「スラッシャー」が増えた理由

 

得意を仕事にする働き方「スラッシャー」が増えた理由

働き方改革法案の施行により、個々のワークスタイルの多様化を認めるダイバーシティなどの表現が、経営や雇用の側面において多用されています。そんな時代において、多様な仕事を請け負う「スラッシャー」と呼ばれる職業が存在するのをご存知でしょうか。スラッシャーとは、仕事の業務領域を表しているわけではありません。肩書きに「/(スラッシュ)」が入る複数の仕事を兼務している人を意味します。複数の肩書きを持つスラッシャーという職業が増加傾向にある理由を説明します。

複数の肩書きを持つスラッシャーという職業

仕事における重要な観点の1つに専門性が挙げられます。なぜなら、専門性が高い仕事は誰もがこなせるわけではなく、顧客に対して特別な価値を生めるからです。言い換えれば、専門性を高めることによってその職種のプロとなり、特定の分野において付加価値をより発揮しやすくなります。たとえば、司法試験という難関な試験を合格しなければ、弁護士、裁判官、検察官の職に就くことはできません。つまり、弁護士などの職に就くには、一般人よりもはるかに専門性の高い法知識を身につける必要があります。

何かの分野に特化していることはスペシャリストの証しでもあり、それが労働者にとっての強みになります。しかし、インターネット検索でいくらでも情報が手に入り、さまざまなテクノロジーが発展した現代において、中途半端な専門性は強みにはなりづらいでしょう。スペシャリスト同士で比較された際に見劣りし、顧客から選ばれにくい危険性があります。そうした状況下で、一芸に秀でているだけでなく、多様な分野に精通している人材への注目度が高まっています。それが「スラッシャー」です。

スラッシャーの由来は、職業の肩書に入る「/(スラッシュ)」。つまり、複数の肩書を持つ、多様性に溢れたワーカーを意味します。たとえば、弁護士の資格を持ちつつ、税理士試験にも合格すれば、「弁護士/税理士」と名乗れます。法に関する悩みに加え、財務関連のことも相談できるので、顧客からすれば手間が省けます。一芸に秀でたスペシャリストよりも、多様な分野に精通していることで、より幅広く仕事を請け負えます。

好きなことを仕事とする「DIYな働き方」

スラッシャーには、前述した「弁護士/税理士」のように、難易度の高い資格を複数保有している優秀なタイプや、自身が受けたい仕事の領域を次々に肩書へ加えるタイプもいます。どちらかと言えば、後者のように少しでも分野に関わったらそれも職業として名乗るスラッシャーの方が多いかもしれません。ある意味、名乗った者勝ちの側面があり、それは資格がある場合はもちろん、趣味などの領域を上手に活かす場合もあるようです。

たとえば、映像のクリエーターの場合、趣味で空撮のできるドローンを使っている方もいるでしょう。サイバーエージェントの調査では、国内動画広告の市場は2020年に2900億円に達する見込みです。市場がどんどん巨大化しており、単なる撮影・編集だけではなかなか差別化がしにくい現状において、趣味のドローンをアピールすることが仕事の拡大につながる可能性もあります。「映像クリエーター/ドローン操縦士」と名刺に記載すれば、空撮の依頼がすることは想像できます。

ちなみに、ドローンには飛行させるための特別な資格や免許は存在しません。そのため、ドローン飛行が好きで得意であれば、誰でもドローン操縦士と名乗れ、スラッシャーになれるのです。もちろん、航空法の規定や各自治体が定める条例を順守したうえでの活用が必要になりますが、そうしたドローンのように趣味の領域を活かして多様な仕事を兼務することが可能です。複数の職業を名乗り、好きな領域の仕事を受けることができれば、「DIYな働き方」も夢ではないかもしれません。

目指すはスペシャリストではなくゼネラリスト

スラッシャーは、1つの業務に特化するのではなく、さまざまな仕事を請け負うため、職に関する可能性が広がります。一芸に秀でたスペシャリストではなく、広い範囲の知識や能力を持つゼネラリストとしての働き方を望む人には合っている考え方です。自分の知見や経験を活かして、さまざまな仕事に関わりたい方には非常に興味深い働き方でしょう。

しかしながら、スラッシャーには、肩書きを増やし過ぎて、その名に見合った仕事の質を発揮できないという懸念もあります。スラッシャーのように仕事を兼務していたとしても、顧客が求めるのはプロとしての品質です。そのため、中途半端なスキルで器用貧乏のようなスラッシャーになると、思うような評価が得られずに仕事の獲得に苦労する危険性があります。

肩書きを増やすことは、それだけ自身が関わる仕事の領域を広げることになります。しかし、欲張りすぎることで、かえって自分の首を絞めることにもなりかねません。スラッシャーとして広範囲で活躍したいのであれば、ゼネラリストとして認められるような広範囲の知識や能力が不可欠であることを肝に銘じておくべきです。

 

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2020/03/23 更新

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