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SNS時代における労働者のセルフブランディングの仕方

2020/04/13
SNS時代における労働者のセルフブランディングの仕方

 

SNS時代における労働者のセルフブランディングの仕方

さまざまな領域でテクノロジーが発展し、情報や物がありふれて何かと便利になっている現代ですが、その反面で何かヒット商品やサービスが生まれると、それを模倣した類似の製品やサービスがすぐに出現する傾向にあります。言い換えると、高付加価値を持った上質な製品やサービスが生まれにくい環境であると言えます。そのような時代だからこそ注目すべきは、共感を求めて使うSNSです。SNSが一般化した現代社会において、労働者はセルフブランディングの活用を視野に入れるべきです。

製品やサービスにおけるコモディティ化が顕著な時代

企業にとって新製品や新サービスの開発は、社運をかけた一大事業であり、そこに注ぎ込む情熱や労力は並大抵なことではありません。そうした苦労の末にリリースされた製品やサービスがヒットした際は、まさに万感の思いで喜びと安堵の感情が交錯するでしょう。しかし、、すぐに類似品が出回り、せっかく新製品や新サービスに対してひねったアイデアが独自性を持たなくなる恐れがあります。

このように近年、製品やサービスにおけるコモディティ化が進んでいます。コモディティ化とは、市場にリリースされた際は高付加価値があったにもかかわらず、製品やサービスの市場価値が低下し、世にありふれた一般的な製品やサービスになってしまうことです。ではどうしてこうした製品やサービスの付加価値を保つことが難しい時代になったのでしょうか。それにはテクノロジーの発展が大きく関係しています。

特にインターネットを通してさまざまな情報が手に入り、宅配サービスによって欲しい物を簡単に取り寄せることができる現代では、競合会社の製品やサービスを研究しやすい環境にあります。ヒット商品にはおのずと注目が集まるもので、類似の製品やサービスを開発すれば、「自分たちも成功できる」と考えるのは自然なことです。そうして先駆者たちが苦労して作り上げた製品やサービスが唯一無二のものではなくなり、高付加価値を持たなくなり、最終的にはコモディティ化します。

違いを生むのは機能的価値ではなく情緒的価値

“モノづくり”に秀でており、昔から多くの素晴らしい製品やサービスを開発してきた日本には、「良い物=売れる」という考え方が根づいています。もちろん、それは間違いではありませんが、近年の状況を鑑みれば、「良い物でも必ず売れるとは限らない」に変化しつつあります。良い物でも評価されにくくなったのは、機能的価値だけでは十分な差別化ができない状況が生まれたからです。

例えば、スマートフォンは、現在では多くの企業から、さまざまな機種が発売されていますが、2008年の日本市場はApple社のiPhoneしか流通してませんでした。当時は「スマホ= iPhone」と呼べるほど高付加価値を誇っており、一強体制を築いていました。しかし、競合各社がスマートフォン開発を開始すると、瞬く間に状況は一変し、日本の携帯電話市場がスマートフォン中心となりました。

各社のスマートフォンの機能はほとんど遜色がなく、差別化が図れずにコモディティ化が進行したため、ユーザーがどのスマートフォンを選ぶかは、それぞれの好みによるところが大きくなりました。機能的価値に重きをおくのではなく、「デザインが良い」「気になるカラーだった」「サイズ感が合っている」など感覚的な部分がスマートフォン選びでも優先されるようになりました。つまり、情緒的価値が違いを生む要素となってきているのです。

SNSは「情緒的価値」をつなぐ現代に不可欠なツール

製品・サービスの質やブランド力などの「機能的価値」に大差がなくなると、多くの人は感情などをもとにした「情緒的価値」によって左右されやすくなります。その象徴とも言えるのがSNSです。SNSは「情緒的価値」によって多くの支持を集めたり、反対に炎上したりするツールの典型です。さらにSNSは簡単に情報を発信できるので、多くの人の興味や関心、感情にアプローチしやすく、ちょっとした投稿をきっかけに多くのファンを作ることも可能です。

簡単に始めることができるため、使い方に十分気をつける必要がありますが、労働者自身がより良い仕事を獲得するうえでもSNSは不可欠です。たとえば、Twitterで「#医療系ライティング」「#インフォグラフィック動画」など専門分野に精通していることをアピールするハッシュタグを投稿に加えるだけで仕事につながることがありますし、反対にそうした情報をキャッチすることもできます。「情緒的価値」がものを言う時代だからこそ、それに見合ったSNSを使いこなすことが大切です。

「機能的価値」による差別化を生みづらい世の中において、「情緒的価値」をうまく発信することは企業のみならず労働者1人ひとりが持つべき意識です。自身の発信で仕事を生んだり、良きパートナーと出会えたりする可能性が広がっているので労働者もセルフブランディングの一環としてSNSを意識的に活用されてはいかがでしょうか。

 

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2020/04/13 更新

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