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資産運用におけるロボアド活用のメリット・デメリット

2019/09/30

 

資産運用におけるロボアド活用のメリット・デメリット

日本政府が掲げるスローガンの1つに「貯蓄から投資へ」があります。現金・預金に偏った日本の家計に変革をもたらすことが目的であり、国民1 人ひとりの“投資脳”を向上させ、より経済を活性化させていきたい狙いがあります。しかし、投資に対する知識や意識がそこまで高くない日本人にとって、投資のリスクに対して後ろ向きの方が少なくありません。そうした投資初心者であっても踏み込みやすいのが、近年注目を集めているAIによる投資サポート「ロボットアドバイザー」です。

AIで投資をアドバイスしてくれるロボアドとは?

ロボアドバイザー(ロボアド)とはフィンテックの一種であり、AIを利用した個人向けの資産運用サービスです。ユーザーがスマホやパソコンで年齢や年収などを入力すると、AIによりリスク許容度が判断され、最適な投資プランを提供し、アドバイスをしてくれます。今までこうした投資運用を他者に任せるサービスは、費用面の問題などもあり富裕層にのみに向けられたものでした。しかし、ロボアドは人件費がかからないなどの理由から、個人投資家や投資初心者まで気軽に利用できる点が特徴です。

ロボアドには大きく分けて「提案型」と「投資一任型」の2種類があり、利用する際はどちらかを選ぶことができます。提案型があくまで資産運用プランの提案のみを行うのに対し、投資一任型は運用プランの提案のみにとどまらず、実際に発注から運用まで投資に必要な行動すべてを担ってくれます。このように投資に関してもフィンテックの技術の進歩により、多くの人がより身近な存在に感じられるようになるかもしれません。ロボアドはその足掛かりとなり得る可能性を秘めています。

初心者の少額投資には最適なロボアド

ロボアドは、すべての投資家にとっての選択肢の1つとなり得ますが、特に初心者投資家に最適なサービスと言っても過言ではありません。前述した投資一任型を選択すれば、投資に関するほとんどの工程をAIに任せることができるため、投資に関する知識に乏しくとも少額からチャレンジすることができます。また、それ以外にも初心者投資家に向いている理由として以下の2点が挙げられます。

理由1:小額投資が可能

ロボアドが初心者に向いている理由として、「小額投資が可能」という点が大きいでしょう。利用するロボアドのサービスによって最低投資額は異なりますが、最低10万円から始められるサービスも存在するため、敷居は低いと言っていいでしょう。加えて運用報酬も基本的には年率1%のため、経済的にあまり余裕がない若い世代であっても、安心して投資を始めることができます。

理由2:分散投資が可能

ロボアドを利用した投資では、株式や不動産、債券などさまざま種類が対象となり、複数の種類を組み合わせた分散投資が可能です。そのため、たとえ1つの投資でうまくいかなかったとしても、別の投資でカバーすることができます。ロボアドではバランスが偏ってしまった場合に、自動で資産の配分を見直す機能が搭載されているため、初心者であっても混乱することなく運用を続けることができるでしょう。

ロボアドにすべてを託す資産運用は禁物

フィンテック全盛時代において、AI投資ができるロボアドはいわば“テクノロジーの結晶”とも言えますが、全幅の信頼を寄せてしまうのは禁物です。ロボアドを始めとしたフィンテックの技術は日々進歩しているものの、突然やってくる暴落相場を予測するのは難しく、場合によっては損失が発生してしまうケースもゼロではありません。

資産運用をするのにAIを活用するのは今後有効な手段となっていくのは確実と言えます。しかし「絶対に損したくない」と考えるのなら、どのような資産運用をすべきか、AIだけに頼らず慎重に考えるべきでしょう。

また、テクノロジーに完全に依存することの危険性は、投資だけでなく労働においても同様のことが言えます。便利なテクノロジーに頼りきりで自身の知識や経験を仕事に活かすことができなければ、それこそロボやAIありきの仕事しかできなくなってしまうでしょう。自身の知識を身につけることの重要性はテクノロジーがどれだけ発展しても変わることはないのです。

 

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2019/09/30 更新

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