建築・インテリア業で図面作成する「CADオペレーター」
建築・インテリア業で図面作成する「CADオペレーター」
世の中にありふれている建物やインテリアなどは非常に精巧につくられており、その緻密さに感心することもあるでしょう。そうした精度は設計士やデザイナー、建築士などの技術によるところが大きくなりますが、決して小さくない役割を担っているのが「CADオペレーター」の仕事です。CADオペレーターは構造物や機械などCADソフトで正確な図面に仕上げる仕事であり、あまり表立ってはいませんが、私たちの生活にも大きく関わる非常に重要な業種だと言えます。
設計図をCADソフトで図面に仕上げる仕事
そもそもCADオペレーターという言葉をご存知でない方も少なくないでしょう。そもそもCADとはComputer Aided Designの略で、直訳すると「コンピュータによる支援設計」を意味します。従来までは建築にしろ、機械にしろ精密な建物や製品は、エンジニアの方が手書きで図面を作成していました。しかし、テクノロジーが発展した現代ではCADを用いることで、手作業で行っていた図面の作成をコンピュータで簡単に自動的に行えるようになりました。
つまりCADオペレーターとは、コンピュータによる支援設計ツールを使用することで図面作成をする職種のことを指します。そのため、詳細な設計やデザインをするのではなく、あくまでも設計図を基にコンピュータで図面を作成するのがCADオペレーターの役割です。CADを利用して設計するものは、ビルや戸建などの建造物があれば、自動車や航空機といった乗り物、冷蔵庫や扇風機といった家電、モーター、センサーといった電子部品など多岐にわたります。あらゆる業種の製品の図面がCADを用いることで作成できます。
また、図面と聞くと二次元をイメージする方も多いかと思いますが、CADでは平面図だけではなく三次元の立体図にも対応可能です。手書きでは難しい複雑な図面でも短時間で作成できる、作業効率と正確性アップを両立できる点がCADを活用する大きなメリットと言えます。
建築・デザイン事務所など活躍の場は広い
CADオペレーターは、あくまでCADを使いこなすことで正確な図面を迅速に作成することが仕事です。そのため、設計士やデザイナーとしてのスキルは必ずしも必要とはしておらず、設計者やデザイナーの意図をくみ取る能力や指示に従って細かい修正、調整を忠実に行う知識・技能がより求められます。緻密な図面を作成できるなどCADを使いこなすスキルは当然として、設計者やデザイナーとのコミュニケーション能力も不可欠な要素です。
一定の技量があり、周囲と問題なく連携が取れるのであれば、CADオペレーターは、さまざまな業種で活かせる技術だと言えます。二次元、三次元、データ加工など求められる業務が多岐にわたるため、メジャーなCADソフトを一通り使いこなすことができれば、建築・デザイン事務所など業種を問わず活躍の裾野は大きく広がっていくでしょう。
また、CADオペレーターには仕事に就くために必要な国家資格などはありません。従って意外と裾野は広い職業だと言えます。ただし、「CAD利用技術者試験」などの資格を取得しているほうが就職に関しては有利になるでしょう。一からCADオペレーターを目指したいという方は、スキルやコミュニケーション能力を身につけるのと同時に資格取得の動きを強めることも推奨します。
技術や知識がある場合は即戦力として期待
未経験者でも十分に活躍できる可能性を秘めているCADオペレーターですが、CADの知識や技術を有していれば活躍できるフィールドの幅は当然ながら広がります。また、経験者が転職をした場合は、即戦力としていきなり大きな仕事を任せてもらうこともあります。即戦力として活躍することを目指すのであれば、現在の職場、もしくは独学でもいいのでCADソフトを徹底的に使いこなすことを意識しましょう。現場からの要求に応えられる対応力を身につけることが大切です。
緻密で正確な対応が求められますが、構造物や機械などの“ものづくり”において欠かせない仕事であり、自分が携わった設計図が形になっていく様を見られることは大きなやりがいとなります。活躍できるフィールドが広いため、未経験者であってもまずは勉強して基礎を身につけて将来のステップアップを目指すことは、将来性があると言えるでしょう。
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2022/08/22 更新
