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失敗から迅速に立ち直るための方法

仕事を円滑に進めるうえでミスや失敗を少なくすることはもちろん重要ですが、うまくいかなくなった際にいかに早く立ち直るか、ということもビジネスでは求められる力でしょう。なぜなら、「仕事が順調に進まない・・・」とマイナス思考に陥り気持ちが沈んでいては問題解決の糸口を見出すことも困難になるからです。失敗から迅速に立ち直るためにはどのようなことを意識すべきでしょうか。

失敗を引きずることによる悪影響とは

「大事な商談に遅刻した」「競合とのプレゼンに準備不足で負けた」など、仕事をしていればさまざまなミスや失敗をして落ち込んでしまうことは少なくありません。しかし、避けるべきなのはその失敗を引きずったまま次の仕事をすること。つまり、“失敗を長く引きずること”です。 仕事のミスを引きずることで、集中が散漫になり、さらに大きなミスにつながるということも珍しくありません。また、仕事のミスや失敗による思考に苛まれると、“ワーキングメモリ”の容量がいっぱいになってしまい、新たな仕事の思考の妨げになります。ワーキングメモリとは日本語で「作業記憶」と呼ばれるもので、思考している際に使用する脳のメモリのことです。一般的に人は同時に3~4つ以上のことを同時に考えることは困難だとされています。つまり、それがワーキングメモリ容量の限界です。 失敗をいつまでも引きずるということは、この大切なワーキングメモリの一部を無駄にし、新たな仕事に対する意欲が失せてしまうこともあり、悪影響を与えかねません。さらに失敗を引きずっていると身体や精神にも影響が出ます。気分が優れない状態が長く続くことで体調不良や食欲不振になり、病院の診断が必要になることもあります。失敗したことに対する反省はもちろん必要です。しかし、終わったことをいつまでもくよくよ後悔していては、前向きに仕事に取り組むことができません。

「できる人」は気持ちの切り替えが早い

どんなに仕事ができる人でも必ず失敗した経験があるはずです。しかし、たとえ失敗してもその後の気持ちの切り替えをうまくすることで、後に引きずらないようにするのが「できる人」です。なぜなら、ワーキングメモリをいつもクリアな状態にして次の仕事に取り組めるからです。この切り替えの早さこそが、仕事のできる人とできない人の大きな違いです。 気持ちの切り替えが早い人は、失敗は失敗としてとらえ、次にどんな対応をすべきかと前向きに考えます。いつまでも気持ちの切り替えができない人は、失敗を失敗として認められずに後悔の念に苛まれるため、思考がずっと後ろ向きのままです。失敗した時は、一旦受け入れて、失敗したことは仕方がないと開き直れるかどうかが、気持ちの切り替えができるかどうかのポイントとなるでしょう。 気持ちの切り替えをうまくできるかどうかは、リセットのタイミングを心得ているかどうかでも変わってきます。「食事を取る」「次の仕事場所へ移動する」「同僚と会話をする」「コーヒーブレイクを取る」といった仕事以外のことをすることで一旦気分をリセットすれば、気持ちの切り替えがしやすくなります。切り替えがうまい人はこのタイミングを意識的に作ることに長けているのです。

休むことでネガティブ思考を解消

失敗から迅速に立ち上がるには、ネガティブ思考からポジティブ思考への切り替えが不可欠です。そのためには思い切って休むことも1つの方法です。ネガティブ思考になってしまうと広い視野で周りを見ることができなくなり、近視眼的になりがちです。そうしたときほど身体や頭を休ませ、広い視野を持つことで冷静になり、次の行動に移れるようになります。 失敗は誰もがするものなので、オンオフの切り替えこそが重要です。うまく立ち直り、いち早くいつもの自分を取り戻すことができるかで仕事の成否も変わってくるでしょう。ミスを引きずることが更なるミスにつながる行為だと理解することが、失敗から迅速に立ち直る最大のポイントかもしれません。

2021/02/26 更新

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