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相手を不快にさせない上手な断り方

相手を不快にさせない上手な断り方

飲み会、カラオケ、ゴルフ、ランニング、BBQ、釣り、登山等、取引先や仕事絡みで知り合った人、上司や同僚など、社会人は社内外問わずさまざまなお誘いを受けます。しかし、中には気の進まないものや、スケジュールや予算的に参加できないものもあります。

「相手を不快な思いにさせずに断れるか」ということは、非常に悩ましい問題です。うまく断ることができないと、相手の気持ちを傷つけるだけでなく、自分自身もストレスを抱えてしまうこともあり、社会人として最適な断り方を身につけることが重要になります。

考え方を変えることこそ“断り上手”への第一歩

お願いごとや誘いに対し断れない人や断るのが下手な人は、たいてい“いい人”を演じてしまいがちです。しかし、相手の事情に合わせることばかり意識してしまうのは「考えすぎ」であり「悩みすぎ」です。「相手によく思われたい」「頼まれごとを断ったら相手に悪いのではないか」「断ったら、もう二度と誘ってもらえず、孤立するのでは?」、そうした願望や恐怖心こそが断れない所以です。もちろん、同情できる面もありますが、臆病ともいえます。

お願いごとや誘いを断りたくても断れない人は、まずは断る勇気を持つことが大切です。まずはメンタリティを変えるところから始めましょう。「誘いを断ることは、悪いことではない」ということを念頭に置くだけでも、断る際に後ろめたさを感じにくくなるはずです。

反対にあなたが誘う側の立場だったら、一度断られただけで相手のことを嫌いになったりしますか。もう二度と誘わないことがあると思いますか。そうだとしたらずいぶん極端な話です。

また、誘われた際に時間を作ることができれば、それで穴埋めできるでしょう。それに毎回幹事をやるような人は断られることに慣れているので、心配しすぎる必要はありません。もし、たった一度断っただけで冷たい対応をされるようなら「相手の器が小さい」のだと思うようにしましょう。とにかく、断る際に必要以上に罪悪感を覚えることはありません。

誘ってくれたことへのお礼を言うのは「基本中の基本」

断ることを必要以上に気にしすぎるべきではありませんが、その際の対応は十分に気を配るべきです。誘ってくれた人に誠意を見せる意味でも、断る際にもまずお礼をして感謝の気持ちをしっかり伝えるようにしましょう。

たとえば以下のような断り方であれば、相手も不快に思うことはないはずです。

例文1:「お誘いいただき、ありがとうございます。ぜひご一緒させていただきたいのですが、あいにくその日は、はずせない用事がすでに入っております」

例文2:「ありがとうございます。ただ、今日は朝から体調がすぐれないので、早めに帰宅したいと思います。また別の機会によろしくお願いします」

例文1・2のように、誘ってくれたことへのお礼の言葉を添えることで印象は変わります。お礼の一言があれば、「誘ったこと自体は喜んでくれたのか。それなら次回も誘ってみよう」と誘った側も安心するでしょう。また、いきなり断るのではなく、例文1の「あいにく」や例文2の「ただ」といったワンクッション置く言葉(いわゆる「クッション言葉」)を挟むと、断る際のトーンが和らぎます。

断る理由をきちんと説明することが大切

ただ断るのではなく、断る理由を同時に説明すると、相手に「そういう事情なら仕方ない」と納得してもらいやすくなります。時間が合わないとか、先約・所用がある、仕事が忙しい、体調がすぐれない、家庭の事情などが、誘いを断る際によく使われます。

また、断り文句に関してはある程度具体的だと信憑性が増しますが、突飛な理由付けや長々とした説明は嘘っぽい印象を相手に与えます。言い訳と捉えられ逆効果になってしまうこともあるので、理由の説明は簡潔に済ませましょう。また、取引先からの誘いに対しては、「○○○さんのご依頼なので、ぜひお応えしたかったのですが、どうしても今回は外せない用事があります。もし次の機会をいただけるのであれば、その時は必ず」などやる気をアピールすることも大切です。

誘いを受けたり、頼まれごとをされたりした際に、「無理です」と理由も告げずに拒絶することはやめましょう。なぜなら、それ以上の交渉の余地がまったくなく、断固たる拒否という印象を相手に与えてしまうからです。代案としておすすめなのが、「ちょっと厳しいです」といういい方をおすすめします。何もなければ行けるけど、参加が難しい事情があることが相手に伝えることができます。

上述したように誘いやお願いごとを断ることは悪いことではありません。ただ、その際の断り方が丁寧だったり、相手に納得してもらえる理由であることが大切です。つまり、社会人ならば“思いやりを持った断り方”を実践できるようにしておきましょう。

2022/08/09 更新

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