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仕事をスムーズにする共通言語・共通認識

仕事をスムーズにする共通言語・共通認識

仕事を進めて行くうえでよく報告・連絡・相談という、いわゆる「報連相」が重要だといわれます。この言葉は基本的には部下が上司に対して行うものですが、仕事を円滑に進めるためには、縦だけではなく横、つまり周囲のメンバーとの連携も重視する必要があります。ただ、一口に連携といってもやり取りの量を増やせばいいということではありません。業務のやりとりをスムーズにするためにも「共通言語・共通認識」が必要になります。仕事における「共通言語・共通認識」をメンバー間で共有することで説明や確認にかける時間を短縮でき、仕事の効率化につながります。

連携がうまくいかないのはイメージの共有不足

複数人で仕事をする際に連携がうまくいかない原因の1つとして、お互いのイメージが共有できていないということが挙げられます。イメージを共有することは、メンバー同士で話をした際に互いの頭の中に同じ内容を思い浮かべることです。頭の中で同じ画を描けていれば無駄な説明を省くことができ、仕事の効率化が実現できます。

ただ、多くの人は周囲のメンバーとイメージを共有できずに困っています。その要因として、イメージが言語として明確になっておらず、言葉で確認し合うことができないからです。そのため、1ワードだけで何かを想像することができる共通言語が必要になります。共通言語というと業界用語や仲間内だけで伝わる言語という印象がありますが、もっと広義でプロジェクトメンバーやチーム内で使われる言葉としての意味合いを持つようになっています。

日本でも仕事をするうえで「論理的思考が非常に重要である」という認識が根づきました。そのため、“ロジカル”という言葉が「建設的に」「筋道を立てて」「わかりやすく」といった意味で共通言語化されてきています。近年の日本では「なぜこの仕事をやるのか」「ゴールはどこにあるのか」「どうすれば効率的に仕事を進められるのか」について考えることを、「ロジカルに考えよう」と伝えることで周囲がイメージを共有できるようになってきました。これこそが“共通認識”です。

説明や確認に費やしていた時間を短縮

共通言語を持つことの最大のメリットは、説明や確認に費やしていた時間を短縮し仕事の効率化を図れることです。業界用語や仲間内だけで伝わる言語は得てして曖昧な部分があったり、主観が入っていたりすることが多く、それだけで共通認識を持つことは困難です。そのため、後になって改めて説明をする必要が出てくるなど仕事の非効率化を招くことになります。

その点、意味合いが定義された共通言語は、幅広く内容が共通認識されており、説明や確認が必要最低限で済みます。メンバーが途中からアサインされても、またクライアントにプロジェクトについて説明する際も、共通言語を用いることで同じ画を描く(つまり共通認識を持つ)ことが可能になるのです。

ビジネスは関わる人数が増えるほど共通認識を持つことが難しくなります。メンバーに説明する手間が増え、内容の確認が増えることで認識の相違が起きやすくなるからです。そのような場面でこそ内容をイメージしやすい共通言語を用いれば、共通認識を持ちやすくなります。そして、イメージを深く共有することで説明や確認にかけていた時間を短縮できます。

相手への理解があってこその共通言語・共通認識

共通言語を使用することで互いの理解が深まり、共通認識が生まれるように思えますが、実践するのは簡単なことではありません。まずはスムーズな意思疎通を図るために何が大切なのかを再認識しましょう。

たとえば、「メンバー間の理解を深めたい」という気持ちが強いほど、深い共通認識を持つことができます。仕事の進行においてより密なコミュニケーションが必要になった際に、互いに相手を理解しようという気持ちがなければ仕事は停滞します。つまり、相手に対して「自分の考えをよりわかってもらいたい」「自分がより深く内容を理解したい」という気持ちで接することが大切です。

相手が「何を考え」「どういう行動を取って」「何が得意なのか」を理解することは共通認識を持つことの第一歩です。お互いのことを分かり合えているメンバーと仕事をする方が、そうではないメンバーとする時と比べてやりやすさが格段に変わります。相手を理解し、そしてより仕事をやりやすくするために、共通言語を意識的に利用し、共通認識を深めることを心がけましょう。

2023/05/01 更新

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