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KYな報連相の例とその処方箋

KYな報連相の例とその処方箋

「報連相」は新人・若手だけではなく、中堅クラスでもできてない人がいます。報告・連絡・相談という行為にばかり気を取られ、タイミングやマナーなど気を配れない“KYな報連相”を行っている人が多くいます。

KYな報連相その1:相手が不適切

報連相は直属の上司(たとえば課長)や先輩に行うのが基本です。直属の上司を飛ばしてもっと上の役職者(たとえば部長や室長)に報連相を行ったことはありませんか。そのようなことは3つのデメリットがあります。

(1)直属の上司が蔑ろにされたと思う

(2)報連相を受けた上司が自分に質問されたことに疑念を抱く

(3)直属の上司が状況把握できない

上記の3つの状況にメリットはありません。最悪の場合、コミュニケーションロスや連携のなさを直属の上司が指摘される恐れもあるので、注意しましょう。

⇒処方箋: 報告はラインを常に意識する

会社という組織にはライン(序列)が存在します。いくら風通しのよいフラットな会社だからといっても例外はあまりありません。業務で密に関わる上司や先輩に報連相を行うようにしましょう。

KYな報連相その2:タイミングが悪い

時間に追われている社会人は、自分の最適なタイミングと相手のそれが合致することはめったにありません。相談される側の立場で想像してみてください。重要な会議の合間のたった5分間に、さして緊急でもない営業報告を受けたいですか?帰り支度をしたところで呼び止められたいでしょうか?表面上は笑顔でも、内心げんなりしているかもしれません。

⇒処方箋: 常に相手の身になって考える。ただ、緊急の場合はすぐに

上司や先輩の予定はスケジューラーで確認できます。また、役職者は月末と月初が多忙なことがほとんどです。観察眼を鋭く持って、都合のつきそうなタイミングを見計らいましょう。しかし、気を遣いすぎて緊急度の高い情報をタイムリーに伝えないのは本末転倒になってしまうので注意が必要です。

KYな報連相その3:伝え方が悪い

「前置きが長い」「話そのものが長い」「順番がでたらめで内容がぶれる」「結論がない」「失敗の言い訳が多い」「仕事をしたというアピールでしかない」というやり取りは身に覚えはありませんか?報連相はビジネスを円滑に進めるために行うものです。伝え方が下手だと、伝達すべき重要項目や本質的な内容が欠落してしまう恐れがあります。重要事項をわかりやすい順序で簡潔にまとめるようにしましょう。伝えるべき情報を“足し算”するのではなく、むしろ“引き算”する感覚です。

⇒処方箋: ロジカルな順序で話し、無駄はそぎ落とす

口頭での報連相は、事前に要点を押さえておく必要があります。基本は「○○○さん、□□□の件で、△分程度お時間をいただけますか」と声をかけること。これにより相手はテーマと所要時間がわかるため、その場で話を聞くか後回しにするのかの判断が可能になります。

KYな報連相その4:手段が悪い

報連相におけるベストな手段は対面して口頭で伝えることです。しかし、最近はメールやメッセージアプリのみで済ませる人(特に新入社員や若手社員)が多く、上司の胸中も複雑でしょう。まず、上司の席まで足を運んで簡潔に要旨を伝え、「詳細をメールで教えて」といわれたらメールするくらいの心構えでいましょう。

⇒処方箋: 報連相の際のコミュニケーションを大切に

上司や先輩ときちんとコミュニケーションを取ることも大切な仕事の一部です。面倒くさがらずに、しっかりと相手のデスクまで足を運びましょう。ただ、遠隔地間の連絡や緊急度が高い場合はまずは電話で連絡を入れることが大切です。詳細については改めて直接伝えるようにしましょう。

KYな報連相その5:緊急度の判断に迷う

報連相の緊急度、重要度を判断しかねる場合もあるでしょう。ただ、上司に安直に「この内容は重要ですか?」と聞くのは、それこそKYといえます。仕事内容を理解していないと思われてしまっても致し方ありません。判断に迷う場合は、周囲に頼れる人がいないか見渡してみましょう。

⇒処方箋: 報連相が上手な先輩を頼ろう

判断に迷ったときに頼りになるのが同じ課やグループの先輩です。気軽に聞けて、経験もそれなりに豊富な先輩がいたとしたらベストだといえるでしょう。報連相が上手いと評判の人を頼り、見本にできればより効果的です。

報連相はいくら重要だといっても、あくまでも“付帯業務”です。時間をかけすぎることがあってはいけません。たとえば、営業マンが報連相に毎日3時間も費やしていたら、一体いつ営業活動を行うのでしょうか?本来の業務に注力するためにも、上記の5つの処方箋を参考に効率のいい報連相を行うことを心がけましょう。

2020/08/07 更新

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