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明確な意思によって養われる仕事のプロ意識

ある程度仕事に慣れてくると、新人の時期に多くの時間がかかっていた業務を短縮できるなど“要領をつかんだ対応”ができるようになります。しかし、円滑に仕事を進められるというメリットがある反面、慣れてくることで何も考えずに漠然と仕事をこなしてしまうという危険性も孕んでいます。なんとなく漠然と仕事をこなすと、精度も意欲も下がってしまうことが考えられます。なんとなくではなく、ビジネスマンとして明確な意思を持った行動をするためには、何を心がけるべきでしょうか。

「なんとなく」は認識のズレを生む

仕事においてミスが多い人の特徴として、「そうだと思っていました」「何も考えていませんでした」というフレーズを使う傾向があります。つまり、深く考察せずに仕事を遂行することによって、精度の低い作業に終始してしまっていることを意味します。そんな状態では顧客ニーズを汲んだうえで、効率的な仕事を実践することなど不可能であり、仕事の質を上げるという意欲も周囲には伝わりません。 また、なんとなく仕事をしてしまうことの問題点は、単純にミスを犯しやすくなることもありますが、それ以上に依頼者との認識のズレが生まれてしまうことにあります。仕事には必ず依頼する意図があり、事業における課題を解決して成果をあげるという目的が存在します。そういった大枠のビジョンを認識しないまま漠然とこなしてしまうと、表面的にミスはなかったとしても、依頼者が求めていた成果とは大きな乖離を生むことも考えられるのです。 相手がどんな意図、目的を持って自分に仕事を依頼したのかについて常に意識し、お互いの認識のズレをなくすことが効率的であると同時に、仕事の精度を高めることにつながります。精度の高い仕事の経験を積み重ねることによって、社会人としてのレベルもアップも果たせるでしょう。だからこそ1つひとつの仕事に真剣に取り組み、効率や成果という視点で頭を働かせることが不可欠です。

なんとなくは真剣に考えていないことの表れ

漠然と仕事に取り組むことがいいことではないというのは明白ですが、なぜそのような「なんとなく」の仕事をしてしまうのかという点についても、真剣に改善しなければなりません。仕事中の「なんとなく」は、大きく2つに分けることができ、1つはルーチンワークなど日常的に行っている業務などを「慣れ」から漠然とこなしてしまうこと。そして、もう1つは疲れや寝不足などの集中力不足によって、頭がシャキッとせず身の入らない状態で仕事をしていることです。 上記2つは漠然と働いている人の典型例なので、まずは仕事に取り組む姿勢から改善することが望まれます。ただ、それだけで「なんとなく」の仕事から脱却できるわけではありません。重要なことは、すべての仕事に対して「なぜ?」という疑問を投げかけることによって、その業務に関する意義を問うことです。 「なぜ自分がこの仕事を任されたのか」 「この仕事をやり遂げることでどういった成長が見込めるのか」 「毎日のルーチンワークを後5分早く終わらせるにはどんな方法があるのか」 このような内容を常に自問自答しながら、考えて仕事をする癖を身につけましょう。そうすることで仕事の疑問点が浮き彫りになり、問題点も色濃く見えてくるはずです。課題が明確になれば漠然と仕事をこなすことに疑問を持つようになります。その段階になって初めて、これまで仕事に真剣に向き合っていなかったことに気づくでしょう。そうした疑問を持つなど、仕事に取り組む小さな意識を変えることで漠然と仕事に取り組むことも少なくなるのです。

プロ意識を持つことで高まる仕事の質

仕事に熱中していると、新しい企画などのアイデアが突然、舞い降りてくることもあるでしょう。いわゆる「閃き」というものです。しかし、この閃きは、なんとなく漠然と仕事をしている人には無縁なものかもしれません。1つの仕事に対し熟慮した結果、10も20も案を考え続けたからこそ得られた気づきだと言えるでしょう。そうした閃きのある仕事をするためには、常に真剣に仕事に取り組み、思いを巡らせる必要があるのです。そうした仕事に対する真摯な姿勢こそが働くうえでの“プロ意識”と言えるでしょう。 常に気を張って肩の力を入れた状態で働かなければいけないというわけではありません。しかし、常に仕事について意識を傾けて真摯に取り組むことによって、見えてくる一歩先の視点が必ずあるはずです。目の前の仕事をなんとなく漠然とこなすだけでは、大きな成長は見込めません。仕事においては真剣に考え続けるという思慮深さを持ち合わせることこそが“社会人のプロ”として働く意識を創出するのではないでしょうか。

2021/03/15 更新

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