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要領よく仕事をこなすうえで不可欠な「読解力」

受験の際に現代文を正確に読むための力として着目されるのが「読解力」です。しかし、その能力が学生のテスト勉強においてだけではなく、社会人になってからも重要であることを認識しているでしょうか。特に仕事を要領よくこなせる人ほど読解力に優れており、ちょっとした情報で的確にニーズを汲み取ることができるようです。読解力を身につけるためにはどんなことを意識すべきでしょうか。

「読み取る」と「読み解く」の違いとは

読解力とは、読んで字のごとく文章を「読み解く力」です。似た表現で「読み取る」という言葉がありますが、この「読み取る」と「読み解く」では何が異なるのでしょうか。それぞれの言葉を辞書で調べてみると、以下のような違いが見て取れました。

読み取る

読んで内容を理解する。表面的な内容からその背景にあるものを推し量る。コンピュータなどで文字・画像などを情報として認識する。

読み解く

読んで理解を深める。文献などを読むことによって、研究対象への理解を深める。「解く」は解決する、答えを導き出すといった意味合いの表現。

※どちらも三省堂大辞林より 文章を読み取ることができれば、その内容を理解し、背景を推し量ることもできます。しかし、読み解くことができなければ、そこから課題に対する解決策や答えを導き出すことはできません。仕事でさまざまな問題にぶつかった際に乗り越えるには、多くの情報を得てそこから解決策を見つけ出すことが求められます。その意味では文章を読み取ることも大事ですが、読み解く力、つまり読解力が学生時代はもちろんのこと、むしろ社会へ出てからさらに必要とされる能力の1つなのです。

質の高いインプットが実現する適切な状況判断

社会でも求められる読解力を上げるためには「語彙力」「要約力」「思考力」を満遍なく鍛える必要があります。多くの語彙を知ること、文章が伝えたいことを理解しまとめること、そして、そのまとめたものを自らの知識や経験をもとに正解を考えること。これらの力を鍛えていくことで、読解力を向上させることができます。そして、そのために必要なことが“質の高いインプット”です。 SNSの普及により、仲間内での連絡や情報共有が格段に便利になりました。しかし、そうしたテクノロジーばかりを駆使していると、正しい日本語の文章を読む機会が減ることにもつながります。そうなると語彙力を鍛えることが難しくなり、結果として読解力の向上につながらなくなる可能性もあります。 こうした事態を防ぐためには、新聞や書物、インターネットにおいても内容が称賛されている質の高い読み物に多く触れることが重要です。できるだけ多くの正しい日本語を読んでインプットすることで、語彙力が鍛えられ、読解力が上がれば、問題解決能力が高められ、適切な状況判断も可能になります。

他者からのメッセージを正確に受け取れるかが課題

読解力は、仕事を要領よくこなすうえでというよりも、問題を解決し仕事の成果をあげるという意味で重要だと言えます。「難解な文章を読み取る力」はさることながら、日々ある「他者からのメッセージを正しく受け取る力」であると理解することが大切です。それは知能ワークを必要とする人に限定される話ではなく、万人に求められる能力だと言えます。 誰であっても読解力は急に向上することはありません。日々、さまざまな文章に触れて語彙力、要約力、思考力を養うことで鍛え上げられていくものです。だからこそ、意識して読解力を磨く訓練が大切です。日々の鍛錬で読解力が身につき、他者からのメッセージを正確に受け取れるようになることで、仕事もよりスムーズに行えるようになるでしょう。

2021/04/26 更新

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