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異性の上司との上手な付き合い方

日本政府は2030年代に指導的地位にある男女の比率が同水準になることを目指す目標を掲げています。現状では青写真通りに女性管理職が急増しているわけではありませんが、その割合は少しずつ増え続けています。今までは男性の上司としか働いたことがない人も、女性の上司のチームに配属されるケースも今後増えてくるでしょう。これまでとは異なる異性の上司と働くことには、何か大きな変化はあるのでしょうか。今回は異性の上司との上手な付き合い方を探ってみます。



国内で望まれる女性管理職の台頭

2019年6月、「労働者101人以上の大企業」に対して女性の活躍推進に向けた行動計画の策定などが新たに義務づけられました。いわゆる「女性活躍推進法」です。女性活躍推進法は、少子高齢化社会が進む日本において労働力を少しでも増やすことを目的に、女性の活躍の場を今まで以上に広げていくことを目的に施行されました。現代の日本では、男女が社会の対等な構成員として活躍できる社会が求められているのです。


2020年8月に帝国データバンクが発表した「女性登用に対する企業の意識調査」によると、調査対象企業の管理職に占める女性比率は平均7.8%という結果が出ています。全体としてはまだまだ少ない数字ではありますが、2019年度の調査に比べ0.1%上昇と少しずつではあるものの、増加傾向にあるようです。


これまで日本では業種にもよりますが、女性の管理職の割合が極端に少ないという特徴がありました。多くの男性にとっても異性の上司との付き合い方を悩む必要がさほどなかったのが実状です。しかし、今後は上述したような社会を目指していくうえで異性の上司と上手に付き合えるか否かは、自分自身のためにも、そして、企業が成長していくためにも大きなポイントとなります。



性別の違いによって異なる管理方法

男性上司と女性上司、性別だけで単純に比較できるわけではありませんが、それぞれ部下の管理方法には異なる傾向は見られます。たとえば男性は数字や結果を重視する人が多い点が特徴です。結果をしっかり出していれば、それ以外の部分であまり細かく指摘しない管理職の人もいます。基本的にプロセスよりも目に見えた成果で物事を判断することを好みがちです。


これに対して女性上司は、結果に関してももちろんですが、それ以上に仕事のプロセスに重きを置く人の割合が多い傾向があります。お互いの信頼関係を築くことを大切にし、仕事を進めていく過程でのコミュニケーションをより重視するのも女性の特徴としてあげられます。個人主義ではなく、チームとしてうまく連携していきたいという意気込みが伝わります。


特に大手企業などにおいては、管理職まで出世する女性はまだそれほど多くはないため、すでに管理職についている女性は、「開拓者」的なモチベーションを少なからず持っていることもあるでしょう。その分、男性の管理職に比べて「女性として頑張らなければいけない」という気負ってしまうこともあるかもしれません。また、個人差はあるにせよ、女性特有の感情の起伏は誰にでも訪れるため、感情的になっている際は部下の管理も厳しくなりがちになることもあります。



男女それぞれの特性を学ぶことが大切

女性上司の場合、前項で挙げたような傾向を理解したうえで上手に付き合っていく必要があります。特に気をつけるべきは言葉遣いと身だしなみです。男性上司と比較すると女性の方が、相手に与える印象に敏感になる人が多いため、配慮を持って対応することが大切です。


女性は男性が思っている以上に相手の見た目を細かくチェックしています。「ネクタイがちょっとだけ曲がっている」「靴が少し汚れている」といったことでもあなたの評価が落ちることもあるかもしれません。「オシャレ」である必要はありませんが、清潔感のあるスタイルを心がけることは必須です。また言葉遣いに関しても、上司に対してだけではなく、同僚や取引先の方に対しても社会人として恥ずかしくない言動をしているかどうかは常にチェックされていると思っていいでしょう。


女性は男性以上に社会人として当たり前の言動ができない部下には、厳しい評価を下す傾向があります。「成果さえあげれば文句はないだろう」といった態度は改め、女性でも男性でも、それぞれの特性を十分に考慮したうえで向き合っていきましょう。今後、女性管理職の数は増えていくことが予想されるだけに、女性上司ともうまく付き合っていくことは、社会で生き抜くためのポイントとなるかもしれません。

2021/05/28 更新

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