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「尊敬語」と「謙譲語」の違いについて

「尊敬語」と「謙譲語」とは?

ビジネスでは、尊敬語と謙譲語をきちんと使いこなすのがマナーです。尊敬語も謙譲後も丁寧語と同様に、敬語ですがその用法は異なります。尊敬語は、相手を持ち上げる表現をつかって相手を高めます。一方の謙譲語は自分がへりくだる事で、相対的に相手を高めます。

尊敬語を使うシーン

尊敬語は、目上の人が動作の主体、主語となる様なときに使います。会社では、上司や社長など身分の高い人に使います。 たとえば、本社の社長が支店に来る場合は、来るという動詞を尊敬語にします。「来る」の尊敬語は複数ありますが、おいでになる、お越しになる、お見えになるなどが良く使われます。実際の表現としては、「本社の社長がおいでになります。」とすると良いでしょう。 では、逆に本社で社長を見送る立場の場合はどの様な表現になるでしょうか?「社長は支店に出かける」では、敬意が示せません。そこで「出かける」の部分を尊敬語に、「社長は支店にお出かけになる」と表現します。

謙譲語を使うシーン

謙譲語は、目上の人や敬意を示したい人との関係で使いますが、動作の主体は相手ではなく自分です。 たとえば、社長を出迎えに行くという場合は、「社長、私が新幹線のホームまで迎えにいきます。」としてもよいですが、いまひとつ敬意が感じられません。そこで「迎えにいきます」の部分を謙譲語にします。「お迎えにあがります。」または「お迎えに参ります」と表現します。 同様に、営業マンがお客を訪問する場合も謙譲語はよく使います。お客の家を訪問する場合には、「〇〇時に行きます。」の「行きます」部分を謙譲語に変更し、「参ります。」または「お伺いします。」と表現すると良いでしょう。

こんな時は尊敬語?謙譲語?

尊敬語と謙譲語がひととおりマスターできても、時にどちらを使えばよいのか迷ってしまうこともあります。それは、敬語を使うべき相手が複数いる場合です。 たとえばお客様に対して自分の上司について話をするには、どうしたらよいのでしょうか?自分にとっては、お客様も上司も尊敬すべき相手です。お待たせしているお客様に対して仮に「〇〇課長がまもなくお越しになりますので、お待ちください。」と言ってしまうと、上司に尊敬語を使ったために、お客様は相対的に上司よりも下になってしまいました。この場合は、身内である上司の事は謙譲語で扱います。「〇〇がまもなく参りますので、お待ちください。」といえばお客様が持ち上がり、正しい使い方になります。 では、同じ会社内で部長から電話がかかってきて、課長に電話を取り次ぐ様な場合はどうでしょうか?部長が「〇〇課長はいるかね?」とたずねた場合、「〇〇は出ております。3時頃には戻ります。」と〇〇課長を呼びすてで謙譲語にするよりも、部長も課長も身内でかつ二人ともあなたの上司であるので「〇〇課長はお出かけになりました。3時頃には戻られます。」と尊敬語を使った方が適切です。

2021/07/16 更新

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