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目の前の課題に対して仮説を立てることの重要性

AIやIoTなど、テクノロジーの発展が顕著な現代。目まぐるしい変化に対応し、ビジネスで成功を収めるためには、深く思考しながらも効率的に仕事をこなすことが重要です。そのためには、仕事に取り組む際にまず仮説を立てることを習慣化しましょう。仮説構築をすることによって、思考の深度と仕事の効率は高まるはずです。



常に考えることが求められる現代社会

近年、テクノロジーの発展により、私たちの業務ツールの利便性は飛躍的に向上しました。しかし、その一方で刻々と変化するニーズに応えるべく常にアンテナを張り続け、よりレベルの高い成果物をスピーディーに生み出すことを求められるのも現実です。現代のビジネスパーソンは常に頭をフル回転させ、次から次へと現れる問題を瞬時に解決する日々を送っています。

あわただしい日々の中で複数の問題を解決し、前進するためには単に知識を蓄えるだけでは不十分です。問題解決のためにどうすべきかを深く考える「思考力」と、「素早く、効率的に」課題を解決できる「対応力」が不可欠になります。そうした力を養うためにおすすめなのが、既に得られている情報から仮説を立て、それを検証することで問題点や解決策のアタリをつける習慣です。それにより、無駄なく、効率的に「考えるべきこと」をイメージすることができます。

たとえば、新商品の企画を考えるようなケース。ただやみくもに流行りに飛びついても、売れる商品をつくることはできません。ヒット商品を生み出すためには、ターゲットとなる消費者の行動や態度の奥底にある「消費者インサイト(購買行動の核心・本音)」を引き出す必要があります。この際に活躍するのが、仮説の設定です。ターゲットがどんな人でどんな生活をしているかを深く考え、どんなことに困っているのかという仮説を具体的に立てれば、どんな商品をつくるべきかという「結論」に辿り着きやすくなるでしょう。



仮説は課題解決における自問自答

では仮説設定から結論に到達するまでにはどのようなプロセスを辿ればいいのでしょうか。まず、「自分が最終的に何を知りたいのか」「どういう結果を出したいのか」といった「目的」を明確にします。そして、自分の手元にある情報をもとにその目的を達成するための仮説を立ててみましょう。そして、それを検証するための情報収集を行います。収集した情報をしっかり整理・分析し、仮説に誤りがあればその都度修正しましょう。これを繰り返すことで、より精度の高い仮説を立てられます。

仮説が固まったら、それを軸として課題解決のための調査を行います。玉石混交の情報が飛び交う現代において、軸のないまま漠然と情報を集めるのは非効率的と言えるでしょう。しかし、仮説に照らし合わせて情報を取捨選択すれば、より早く結論にたどり着ける可能性が高まります。仮説は課題解決における自問自答であり、それを繰り返すことで最終的には結論の精度が具体的な実行計画を策定できるレベルに達するのです。



日々の何気ない業務から仮説構築力を磨こう

仮説は必ずしも正しいものである必要はありませんが、初めから精度の高い仮説を立てることができれば、より早く、よりよい結論に到達できる可能性が高まります。そのため、普段から「仮説構築力」、すなわち適切な仮説を立てる力を意識的に磨くことをおすすめします。

仮説構築力は経験値によって高められます。たとえ発想が豊かな人であったとしても、自分自身が経験したことのないことを即座に思いつくのは至難の業と言えるでしょう。人は基本的には、自分の経験したことをベースにして思考する生き物です。

そのため、私たちはできるだけ多種多様な視点に立ち、さまざまな経験を積む必要があります。一見今の仕事とは関係がないように思える経験であっても、その経験はなんらかの仮説を立てる際にきっと役に立つはず。常にそのような視点を忘れず、普段の何気ない業務の中でさまざまな経験を積み、見聞を広めることを意識しましょう。

2021/05/26 更新

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