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ビジネスシーンにおいて不可欠である返事

新入社員、もしくは若手社員を筆頭に返事ができない社会人が増加傾向にあるようです。職場で上司や先輩の説明や指示に対して返事をしない若手社員が怒られているというシーンを目撃することもあるかと思います。返事とは相手が話していることに対する「反応」と「意思表示」の2つの意味合いがあるため、正しい対応ができない人は、“コミュニケーションがとれない人”もしくは“仕事を任せられない人”というレッテルを貼られかねません。

「反応」と「意思表示」の2つの意味合いがある返事

2016年2月、日本経団連が発表した新卒採用(2015年4月入社対象)に関するアンケート調査によると、選考基準でもっとも重視する要素は12年連続でコミュニケーション能力が1位でした。全体に占めるその割合は実に85.6%にのぼります。新卒採用においてこれほど重要視されるコミュニケーション能力ですが、その基本となるのは“相手に対する返事”です。相手の呼びかけに対して返事をするとは、コミュニケーションの基本中の基本だといえます。

冒頭でも言及したように返事には、相手の呼びかけに対する「反応」、そして相手の話した内容に対して、自身の行動を示す「意思表示」の2つの役割があります。反応と意思表示ができていないと、相手に自分の考えていることが伝わらない可能性が高く、十分な意思疎通を図ることができません。ビジネスにおいて的確なコミュニケーションを取れない人は、どの職場でも信頼を勝ち取ることは難しいでしょう。仮にどんなに能力があろうとも“仕事を任せられない人”と判断されかねません。

社会では自分一人で完結する仕事はほとんどないので、確認のためのコミュニケーションが必須となります。相手からの返事がないと不安を覚えるのであれば、同じことを相手にしてはいけません。上司、先輩、同僚、部下、取引先と相手が誰であっても、問いかけられた内容に対しては必ず明確な返事をするようにしましょう。

曖昧な返事は相手の心証を下げる危険性も

社会人にとって返事は不可欠な対応の一つですが、その方法も重要です。返事の声が小さかったり、曖昧だったりすると相手の心証を下げる危険性もあります。反応の返事であれ、意思表示の返事であれ、小さい声や曖昧な対応では相手に正確に意図が伝わりません。仮に相手は理解してくれたとしても「呼びかけに対して消極的である」「やる気や自信が感じられない」と判断されかねないのです。返事は大きい声でハキハキとした口調で行うことが望まれます。

逆に呼びかけられた際に大きな声で相手の方を見ながら返事をすると、好印象を与えます。また、話した内容に関して「承知致しました」「今すぐやります」など明確な返事をすれば、信頼感アップにもつながるでしょう。たかが返事と軽視してはいけません。小さな声での曖昧な返事と大きな声での明確な返事では、相手に与える印象や信頼感が大きく変わることは間違いないのです。

自身の職場に新人が二人入ってきたとしましょう。一方は何事も元気よく「ハイ」と返事をしレスポンスがしっかりできる人で、もう一方は返事の声がか細く何をいっているかわからないような人であったら、どちらが好印象でしょうか? それが前者であることはいうまでもないでしょう。

返事の徹底はビジネスの基本

社内でしっかりと返事ができていなければ、当然ながら取引先など社外での対応においても返事がきちんとできないことも想定されます。外部とのやり取りに関しては、自分一人の問題ではなく会社全体の信頼を失うことにもつながりかねません。今一度、ご自身の対応について意識しましょう。

今までちゃんと返事ができなかった人が、ある日突然できるようにはなりません。常に相手に対してしっかりとレスポンスをすることを心がけましょう。身体の体質上、どうしても大きな声が出ないという方もいるかもしれません。そういった場合は自分のできる精一杯の声を出して態度で示すことはもちろん、ハキハキと話す訓練をすることも必要です。通る声を出すために、カラオケボックスなど大きな声が出せる場所で発声練習をしたり、腹筋を鍛えたり、コツコツと実践していきましょう。

相手の呼びかけに対して返事をすることは、ビジネスシーンではもちろん、人とのコミュニケーションにおいて基本中の基本です。無視するなんてことはあってはなりません。自分の考えを相手に正確に伝えるためにも、また相手に不信感を与えないためにも、「反応」と「意思表示」を意識した返事の徹底を心がけることが大切です。

2020/11/18 更新

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