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ビジネスの基本である“質問力”を高める方法

ミーティングや取引先との交渉で疑問点や不明点が浮かんだら、自身の勝手な解釈のまま進めるのではなく、質問して正確に理解してから進めるのがビジネスの基本です。的外れな質問を繰り返していると、相手の時間を無駄に使ってしまい、問題解決にも時間がかかってしまいます。さらには、取引先の信用も失うことになります。質問をする側にもされる側にもメリットがある効率的なコミュニケーションをとるためには、質問力を向上させることが重要です。

重要なのは意図を明確にしてから質問をすること

相手に何かを尋ねるときは、はじめに質問の意図を明確にする必要があります。これから質問することが何に関してなのか目的は何なのかという意図を示すことは、意見交換を行う前に相手と共通認識を持つための重要なファクターなのです。たとえば、新規顧客への提案の際に何の前置きもなくいきなり「今お困りのことは何ですか?」と聞いた場合、相手は漠然とした質問に困惑し、こちらが期待する回答が得られない可能性が高いといえます。 具体的な回答を得るためには、段階的に相手の考えを引き出していくことが大切です。そのために、聞きたいことの本題に入る前に、「はい」や「いいえ」で答えられる質問を投げかけることを意識しましょう。自分で収集した情報をもとに、「今●●についてお困りではないですか?」「●●の事業で改善したいとお考えの点はありますか?」など答えやすい質問形式で前置きを挟めば、相手もビジネスの話に入る前の心の準備ができます。 また、「はい」や「そうですね」という言葉は、相手に対して共感・素直・肯定という3つの意思表示を表しています。人間の心理として自身を受け入れてくれる言葉を繰り返し発している相手に対して、警戒や拒絶をすることなく心を開いてしまう相手から「Yes」の回答を得られたら、まずまずのつかみだと言えるでしょう。

効果的な質問が引き出す相手の本音

択一質問で「Yes」の回答を複数得て雰囲気を和ました後は、より深い内容の質問を投げかけていきましょう。「この状況では●●という方法が最適と考えますが、どうお考えになりますか?」というように、営業提案や上司への進言の際は自身の仮説を添えることで効果的に相手の意見を引き出すことができます。自分の仮説を確認するという目的があれば、質問の論点が明確になり、相手も回答の仕方に困ることはないでしょう。 相手の意思を最終確認するときや決断を促すときは、「●●という認識で間違いありませんか?」「確認事項をもとに進捗させても問題ありませんでしょうか?」と質問をするのもいいでしょう。自身の主張を相手に押し付けるのではなく、相手の自発的な意見を促すことで、共通認識を持って仕事を進めることができます。 一方で一緒に進めている仕事でトラブルが発生した際は、「なぜそのような事態に発展してしまったのですか?」「もっといいやり方はなかったのですか?」という一方的に責めるような質問は控えるようにしましょう。そうした質問は問題の原因や解決策を導き出すことはできないからです。課題解決が目的であれば、自身は聞き役に徹しましょう。状況を整理する的確な質問をすることで、相手から必要な情報を引き出すことが重要です。

“質の高い質問”が引き出す“質の高い回答”

ビジネスでは相手の意図をいかに汲み取れるかが重要であり、質の高い回答を引き出すには質の高い質問をすることが大前提となります。たとえば自社で発売した新商品について関連企業から意見を求めるとき、「この商品に対してご意見はありませんか?」と聞くと質問の具体性がありません。「商品を購入したいと思いますか?」「その理由はなぜですか?」と相手が明確な回答をしやすい質問を提示することで、答えやすさが格段に高まるのです。 質問には相手の隠された本音を聞きだせる可能性があります。質の高い質問をすることで相手の真意やニーズ、要望等、必要な情報が得られ、ビジネスがうまくいくことになります。また、仕事は一人ではなく、チームとして動いて遂行していきますので、チーム内のコミュニケーションが十分にとれていることはとても重要です。そのためにも質問力を鍛えて、より明確な共通認識を持って仕事を進めていくことはビジネス上不可欠です。 周囲とうまく連携を取り、ビジネスで成功を収めるためにも質問力を向上させることは大切なことなのです。

2021/01/13 更新

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