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優秀な組織に不可欠なモチベーターの存在

世の中のほとんどの仕事は個々人ではなく、会社、部門などの組織レベルで動くことが大半です。そのため、たとえ優秀な人材がいたとしても、その能力を活かせる組織体制が構築されていなければ、本領を発揮することなく埋もれてしまうかもしれません。組織としての成熟を目指すのであれば、全体のレベルを底上げできる“モチベーター”の存在が必要不可欠です。組織全体の利益のために仲間を鼓舞し、部下のカバーリングができるような人材が、社会では求められています。

仕事において重要なモチベーション維持

他人に命じられるままに業務に臨むよりもモチベーションを高く維持した状態で業務に臨んだ方が、高い成果につながりやすい傾向にあります。それは“やらされ仕事”ではなく自分の意思で取り組んでいることの差だといえるでしょう。ですから、仕事では常にモチベーションを高く保つことが大切です。では実際にモチベーションを維持するためには、どんなことを意識すればいいのでしょうか。 明確なビジョンへの期待感や職場の仲間との積極的なコミュニケーションも、モチベーション維持に一役買うことは間違いありません。しかし、もっとも重要になるのが「内的動機付け」です。内的動機とは、仕事に取り組む「過程」そのものを重視し、その中から自分のスキルアップや目標達成などにつなげる考え方のことを指します。 もちろん、報酬や取引相手の大きさでモチベーションを上げることも1つの方法ですが、案件によってモチベーションにばらつきが生まれやすくなってしまいます。そのため、報酬や事業規模といった外的動機に頼るのではなく、内に秘めている内的動機をフル活用することが重要なのです。

組織の士気を上げるのも上司の仕事

モチベーションの維持が上手な人は仕事で成果をあげられる可能性が高い人だともいえますが、個人単位ではなくチーム単位で考えた際にメンバーを管理する上司の存在が鍵を握ることになります。上司はメンバーの誰よりも仕事面で優れた能力の発揮が求められるほか、部下をしっかりと成長させる「教育者」としての一面、そして職場の状況をしっかり把握し、メンバーのモチベーションを高めていく「モチベーター」としての一面が求められるポジションなのです。 優秀な上司がいるチームが優秀な成績を残す可能性が高いのは、その人が組織のモチベーターとして機能していること意味します。しかし、世の中には、逆にメンバーのモチベーションを著しく下げてしまう「ディ・モチベーター」となってしまう人も少なくありません。ディ・モチベーターは部下に対して「建設的な指導ではなく叱責をする」「特定の部下を贔屓する」「マイナスな発言が多い」などの特徴が挙げられます。これらの行為はメンバーに悪影響を与えることになります。 仕事は、必ず部下の存在があってこそ成り立つものです。そのため、上司が部下のモチベーションにしっかりと気を配ることで職場の雰囲気向上につながり、組織を成長させることにもつながります。上司はそうした重要な役割を担っていることを常に意識し続けなければなりません。

モチベーターの手腕で変わる組織の雰囲気

優れた上司を目指すのであれば、上記で述べたようなディ・モチベーターであってはいけません。「部下と仕事の意義やビジョンをしっかり共有する」「部下の貢献をしっかりと把握し公平性を持って評価する」「チャレンジを奨励し失敗があればフォローする」など、メンバーが働きやすい環境を整備することが必要です。 そうした小さな努力を重ねていくことで組織の雰囲気は必ず良いものに変わっていくでしょう。「職場で自分の働きを見てもらえている」「自分が正当に評価されている」とメンバーに実感してもらえれば、自然と組織全体のモチベーションはアップしていくはずです。 上の役職の方に求められるのは自身の能力だけでなく、“組織の活かし方”です。自分の業務をそつなくこなせる人は世の中に多くいますが、部下や同僚をやる気にさせて組織の業績を上げることができる人は、そこまで多くはないでしょう。だからこそ、そうした能力のあるモチベーターは高く評価されるのです。

2021/01/08 更新

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