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組織貢献できる人と不満分子となる人との違い

どの集団や組織にも、どんなグループにおいても必ず一人はいるであろう他者の不満や批判ばかりを口にする人――そのような人のことを一般的に「不満分子」と呼びます。万が一、自身が評価者らを含む周囲から不満分子として考えられているとしたら、その評価を早急に挽回する必要があります。不満分子であり続けることは、組織においてはマイナス評価を受ける傾向にあり、組織貢献のできる人とは対極に位置すると考えられているのです。

不満分子となる人は自己評価が高い傾向に

仕事において関わるすべての人が不満なく仕事に取り組めるとしたら、それは理想的ですが、現実的に不可能だといえます。社会で働く者の宿命ではありますが、誰しも待遇や役割、評価の面で少なからず不満を抱いていることでしょう。しかし、どんなに不満があったとしても、不貞腐れたり、愚痴をこぼしたりするなど周囲の人からの心象を悪くする行動ばかりをしてしまうと、自身の評価にも関わってきます。不平・不満を露わにしやすい人は「不満分子」として扱われてしまうかもしれません。

人はなぜ仕事に対して不満を持つのでしょうか。それは自身の理想に対して現実が追いついていない点が挙げられます。つまり、不満分子の特徴の一つとして、自己評価が高いということがいえます。つまり、自己評価が高いと現状の待遇、役割、評価が低いと思い込み、その埋まらないギャップに対して嘆いてしまうわけです。本来であればもっと評価されていいはずなのに、なぜ過小評価されているのだろうと考えることで、必要以上に不平や不満を口にしてしまうことがあります。

不満や不平が蔓延することで社内の雰囲気も悪くなってしまいます。“周囲に悪影響を与える人材”という不本意なレッテルを貼られないためにも、公に上司や会社を批判したり、文句をいったりする行動は慎むべきだといえるでしょう。

文句が多い人はどこに行っても不満分子の可能性も

不満分子と呼ばれる人は自己評価が高い傾向にあるため、現状に満足していない傾向があります。ただし、環境が変わり、理想と現実の間のギャップを埋めることができれば、不満をもらさなくなる可能性もあります。そのため、不満の原因が自分の力でどうしても解決できない問題である場合は環境を変えるというのも一つの手でしょう。原因を究明して解決するための対策を講じることも、不満を解消するうえで重要なことです。

しかし、環境の変化によって不満分子でなくなる人もいれば、どの環境でもどんな待遇でも不満を漏らす人も中にはいます。その人は、責任の所在を自身ではなく他者にあると考える傾向があります。そのため、場所が変わったとしても何かしらの不満を抱えることになり、常に不満分子になることが考えられるのです。その場合は環境ではなく、自身の内面を変える必要があります。不満分子の人は、自身の振る舞いに気づいていないケースが多いため、意識改革を行うことは並大抵のことではないでしょう。

不満分子と呼ばれる人は、「仕事ができない人」とは限りません。むしろ直面した課題に対して問題提起をできる人であることが多いといえます。しかし、自身が置かれている環境に対してネガティブに捉える傾向があります。ネガティブな発想は悪い面ばかりを際立たせてしまうため、ポジティブな一面を見逃しがちです。文句が常に先行してしまう人の場合は、一歩引いた目線で自分を俯瞰してみるといいでしょう。そうすることで不満をいう割合が少なくなるかもしれません。

不満を「社会や組織を変える力」にできるかがカギ

不満分子を卒業し、会社や組織にとってなくてはならない人物になるには単純に自己評価を下げればよいというわけではありません。常に不平不満を口にするということは、基本的に自責の念が足りないという指摘ができるはずです。まずは自身に改善できる点がないかを模索してみることも大切です。それだけで自分自身や組織全体への考え方が変わる可能性もあります。

「自分が完璧な人間ではないこと」を受け入れ、他人に責任転嫁することを止めることです。そうすれば自ずと不平不満も前向きな発言に変わるようになります。前向きな発言はチームの士気を向上させることにも役立ち、結果として自分だけではなくチームとしてより大きな成果も上げられるはずです。個人的な不平不満を、組織全体の問題として捉え、前向きな意見として提唱することができる人こそが「組織貢献」という賛辞の言葉が当てはまる人だといえるでしょう。

現在、自己評価と周りとの評価の差に悩んでいる方は、まずは周りの評価が正当な自分の評価だと受け入れてみましょう。そして、不平不満をいっていた力を、組織を良くする方向に傾けてみたらいかがでしょうか。小さな心の変化こそが、不満分子から組織貢献できる人へ変わるためのカギだといえるでしょう。

2020/12/07 更新

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