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仕事の成否を左右するボキャブラリーの有無

ボキャブラリーが多い人と会話をすると、節々に知性を感じ聡明な印象を受けることがあると思います。語彙力があるかないかは、その人を評価する一つの基準になり得ます。それがビジネスシーンであれば尚更です。「できる社会人」として一目を置かれるためにもボキャブラリーを増やすことは重要な要素だといえます。語彙力の差によって受ける印象の違いについて迫ります。

ボキャブラリーの多さは仕事ができる印象を与える

表現力が豊かで、ボキャブラリーが多い人に対して「頭がいい」「知識の幅が広い」など総じて「仕事ができる人」という印象を抱くことが多いかと思います。語彙力があると相手に対して的確に自分の意図を伝えられる可能性が高まります。相手に理解してもらうために、より適切な言葉を選ぶことができる――その能力が仕事をするうえで有利に働くことは間違いありません。

反対にボキャブラリーが少ない場合はどうでしょうか? たとえば20代の女性をターゲットとして商品を売りたいのに堅苦しい表現しかできなかったり、高齢の方に対して稚拙な表現でしか物事を言い表せなかったりしたら、意思疎通は難しいでしょう。言葉のキャッチボールを図るうえで相手に伝わり、理解してもらえる言葉を選択することは重要なポイントなのです。

また、ボキャブラリーが少ないと伝える側だけではなく、相手の話を受け取る側に立ったときにも大きな支障をきたします。お客様や上司の言葉を正確に理解することができず、大きなミスを犯してしまう可能性が高まります。つまり、言葉のレパートリーが多いか否かで相互理解の領域が変わってくるのです。ボキャブラリーを増やすことは仕事におけるコミュニケーションの幅を広げることにつながるということを覚えておきましょう。

語彙力がないと表現力も乏しくなる傾向に

ボキャブラリーの多さは、仕事をするうえで大きな武器となります。しかし、それだけで「仕事ができる」わけではありません。仕事ができる人とはボキャブラリーが多いことに加えてその言葉をどの場面でどう使えばよいのかを正しく知っています。つまりインプットした言葉をうまくアウトプットする能力に長けているといえるでしょう。

単純にボキャブラリーを増やしたいだけであれば、新聞、雑誌、テレビなどで見聞きした自身の知らない言葉の意味を調べるだけでも身につけることはできるはずです。ただ、それだけではインプットした言葉をどの場面でアウトプットするのが的確なのかを理解できていません。表面的にしかわかっていない言葉を使ったところで、自分の伝えたいことの真意はなかなか相手に伝わらないのではないでしょうか。

つまり重要なことは、増やしたボキャブラリーをいかに相手に伝わるようにアウトプットするかということです。言葉選びのセンスは、相手に伝えたいことをうまく伝えるための表現力にもリンクしてきます。自身が発する言葉の数を増やすことも重要ですが、どのように表現するかを意識的に学ぶといいでしょう。語彙力を身につけて表現力を磨くことをワンセットで考えることが大切です。

アウトプットを意識することが表現力強化のカギ

相手に対して知性を感じるシチュエーションとして、自分の知らないことを知っているという状況が挙げられます。また、同じ話でもさまざまな表現を駆使して飽きないように伝えてくれたとしたら、その相手に対して感心したり、尊敬の念を抱いたりすることもあります。相手に知的な印象を与えるためには、身につけたボキャブラリーをきちんとアウトプットできるように“自分の言葉”にすることが大切です。

ここでいう“自分の言葉”というのは、“自分でも意味がわかる言葉”ということ。難しい言葉を学び、それを背伸びして使っているだけでは、本質的な表現力強化にはつながりません。自分の中で言葉の意味をしっかり噛み砕いて理解できている状態でなければ、相手に伝えることも難しくなります。つまり、身につけた言葉を自分の言葉にできるまで反復して使い続けることが大切なのです。

「語彙力を高める」ことに集中すると、インプットばかりに意識が傾き、アウトプットを疎かにするケースが散見されます。それは、テスト前に知識をたくさん詰め込んだものの応用問題が解けない学生と同様で、現場では役に立ちません。つまり、インプットとアウトプットはセットで取り組んでこそ初めて実践で使えるようになるのです。相手に伝わる表現力を身につけるためには、インプットしたボキャブラリーをアウトプットする場を沢山つくることが重要だといえるでしょう。

2020/12/04 更新

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