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反対・少数意見を尊重することの重要性

反対・少数意見を尊重することの重要性

会社など組織は必ず目標やビジョンを掲げており、その達成に向けて多くのビジネスマンが日夜、知恵をしぼっています。しかし、仕事について考察する過程で人が増えれば増えるほど、どうしても避けられないのが「他人との意見の相違」です。自分が他者の意見すべてに賛同できないように、自分の意見がすんなり全員から賛同を得られるケースもほとんどないでしょう。そういった場合に重要なことは、反対意見を全否定することではありません。反対意見や少数意見をもらった際にどう対応するかは、ビジネスマンのスキルを試す絶好の機会ともいえます。

反対・少数意見のない議論はむしろ危険

人が3人以上集まれば多くの場合において、自分の意見とぶつかる反対意見が出てくるものです。また、人が増えれば必ず少数意見も出てくるでしょう。仕事を行ううえで反対意見や少数意見は、会議や話し合いの時間を長引かせるだけの無駄な意見だと思う方もいるかもしれません。しかし、実際には反対意見や少数意見があるからこそ、会議は活性化し、より深い議論や考察が可能になるものです。

1972年に米国の心理学者アーヴィング・ジャニスが “グループシンク(集団思考)の罠”を提唱しました。これは会議の席で自分以外の意見がすべて一致している場合、「自分以外の人がすべて同じ意見なのだからそれが正しい」という判断のもとに反対意見を封じ込めてしまうことのリスクを指摘したものです。

この集団思考の罠は現実社会でも頻繁に起こり得ることであり、本来議論されるべき代替手段や決定した案が持つリスクなどが十分に検討されることなく、承認されるといった結果につながります。これは非常に危険なことです。たとえ一人だけであろうと反対意見があればしっかりと主張する。また、逆に反対意見が出たとしても面倒がらずに尊重することが、よりベストな結論を見出すきっかけになるのです。

批判的な意見は“受け入れず”に“受け止める”

仮に自分がリーダーとして議論の取りまとめを行っているとします。そこで自分の意見に反対する意見が出た場合、どんなに集団思考の罠は危険だからとはいえ、直接的な反対意見にはつい否定して反論してしまいたくなるものです。しかし、感情的になってしまってはせっかくの議論が深まりませんし、そこから創造的な意見が出る可能性も少なくなります。

ここで第一にすべきことは、反対意見を否定することでも受け入れて従うことでもありません。まずは冷静になり、一旦その反対意見を“受け止める”ことです。そして自分の意見との相違点を明確にし、認められるべき点を認め、そのうえで異なると思った点に関しては改めて説明し、お互いの妥協点を探しましょう。それが建設的な議論を生むことにつながるのです。

一方、すべてを受け入れてしまうと、せっかく反対意見が出たにもかかわらず、集団思考の罠と同じ結果になりかねません。反対意見や批判的な意見はまずは受け止めることで、冷静にその意見を吟味しましょう。そうすることで別の視点での解釈が生まれることもあります。

民意を反映して集団にとってベストな結論を

仕事を進めていくうえで、議論中に反対意見や少数意見が出ることはむしろいいことですが、どんなに議論を交わらせる際に勘違いしてはいけないことが1つあります。それは「自分もその反対意見を唱えている相手も同じゴールを目指している仲間であるということ」です。

仕事のゴール、目標、ビジョンを共有している限りは、その議論の中に必ず解決の糸口が隠されています。反対意見や少数意見を無視したり、全否定したりすることは、ゴールから遠ざかることにつながります。そして、相手に与える心証も悪く、あなたのビジネスマンとしてのスキルがないと判断される材料となってしまう可能性すらあるのです。

自分の意見をしっかりと主張しつつも、反対意見や少数意見を建設的な意見として尊重し、その中から集団にとってベストな結論を出すことこそが、仕事で成果を上げるための重要なポイントとなります。人間は十人十色といわれるだけに、さまざまな意見があるのは当然です。だからこそうまく民意を反映し、集団にとってベストな結論を見つけることこそ、社会人の務めなのではないでしょうか。

2016/10/04 更新

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