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効率化を図るための“選択と集中”とは

効率化を図るための“選択と集中”とは

以前のコラムで「効率を重視したメリハリのある働き方」について紹介しましたが、効率化を図るための一つの手法として“選択と集中”があります。選択と集中とは、多種多様なキャリアの選択肢、スキル、資格、情報などの中から最適なものを選び、大きな効果が期待できる対象に資金や労力、時間を集中的に投下する方法です。スキルアップやキャリアアップを図るうえで大変効率のいい方法のため、多くの企業で採用されています。

博打的な要素が強いことも理解しておくことが重要

ビジネスにおいてさまざまな分野にむやみやたらに手を広げると、失敗することがあるかと思います。多くのことに注意が散漫になる分、細部までチェックが行き届かなかったり、どれも成功を収められず中途半端になってしまったりすることが多々あります。二兎を追う者は一兎をも得ずではありませんが、あまり多くを求めすぎてもすべてを成し遂げられる可能性は高くないのです。

一方、選択と集中を行うことの最大のメリットは効率のよさが挙げられます。結果を出すために最大限の能力と時間を一点集中させて費やすので、無駄を省くことができます。一つのことに専念して取り組むため、深い考察や高い専門性を持って業務に取り組めることもあり、成功率が高まるだけでなく大きな効果も期待できるのです。

選択と集中は成功を収めるために必要な方法ではありますが、“選択を誤ること”によって一転して失敗する可能性が高まることもあります。デメリットとして挙げられるのは、一つのことに集中するがゆえにうまくいかなかったときに軌道修正しにくく、投下した資金や労力、時間などが無駄になってしまうことです。「あの人は自分の好きなことだけやって、他の仕事を蔑ろにしている」などの批判を受けることもあるだけに、博打的要素が強いこともあらかじめ認識しておきましょう。

成功の秘訣は重要なポイントを見極める目

選択と集中は成功すれば大きな成果が得られ、失敗すれば何も残らないという、“ハイリスクハイリターン”の手法です。そのため、入社1~3年目の若手社員に関しては選択と集中はあまりおすすめできません。なぜなら、働き始めて日が浅い若手社員たちは自分の方向性や可能性、強みや弱みを明確に把握しきれていないことが多いからです。

選択と集中で成功を収められるような“賢い選択”をするためには、多くの失敗によって培った経験値が必要となります。働き始めてから4~5年以上で、さまざまな領域での経験を積んだ27、28歳~31、32歳くらいが理想であり、そのぐらいまでに「私はこれで一生食べていく」「私のビジネス上の強みはこれだ」というものを見つけられていればビジネスマンとして一皮むけた存在になれるでしょう。

日常の業務だけでなく、“自身のビジネスマンとしての道”も選択と集中を行うことが望まれますが、成功するか失敗するかは、重要なポイントを見極める目を養えているか否かにかかってきます。ただ、そうした物事を判断する目は経験によって養われるものであり、一朝一夕に得られるものではありません。また、経験値が高いからといって毎回成功するわけでもないので、選択と集中をするうえでの判断材料をしっかりそろえるようにしましょう。そして、見込みがあると確信できるのであれば、そこを信じて集中して仕事に取り組むだけなのです。

“選択と集中”よりも“選択と分散”が必要なケースも

効率よく成果を上げられる手段である選択と集中ですが、業界や業種によっては選択と集中を行わない方がいいケースもあります。テレビ事業に力を入れ、大幅赤字を計上してしまった国内大手家電メーカーの例にもあるように、選択と集中は外すと大損害を被る危険性もあります。そのため、なんでもかんでも選択と集中をすればいいわけではなく、ときには“選択と分散”を行うことも大切です。

人材の有効活用やジョブローテーションという観点で見るならば、いくつかの選択肢をあげ、“ヒト・モノ・カネ”の投下を分散させるのも上手なやり方なのかもしれません。たとえばあるポジションで芽がでなかった新人が、他の部署に異動したとたんに才能が開花するということもよくあることです。飛び抜けた才能やビジネスシーンにおける確実な勝算がある場合は別ですが、人材や事業の適正を見極めるという意味では、選択と分散を採用した方がうまくいくケースもあるでしょう。

ビジネスで100%成功するやり方というものは存在しません。ただ、成功率を高める方法を数多く存在するので、それをしっかり精査して実践に組み込むことが大切です。“選択と集中”や“選択と分散”は、成功を収めるための一種のビジネス手法ではありますが、過度な期待は禁物。いかにうまく運用するかを試行錯誤を繰り返しながら、自身のビジネスを判断する目を養っていくことが不可欠なのです。

2016/07/26 更新

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