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「当社」と「弊社」の違いと使い分け

人前で自分の会社のことを話す時、どんな言葉を使っていますか?当社、弊社、小社、自社等、様々な呼び方があります。中でも特に耳にする機会が多いのが、「当社」と「弊社」。普段何気なく使っているけれど、この二つがどう違うのか厳密には知らない、という人も多いのではないでしょうか。

「弊」と「当」の意味

「弊」と「当」、それぞれの漢字の意味を確認してみましょう。

「弊」は、”疲れる・倒れる”という意味を持つ”敝”と”犬”を併せて”犬が疲れて倒れる”こと表し、そこから派生して”敗れる・相手に劣る”ことを意味しています。現在使われている「弊」には、これ以外にも”よくない習慣”という意味がある他、自分のことをへりくだっていう際にも使われます。

次に「当」ですが、この漢字の旧字体は「當」。つまり元々は、”見合う”という意味の”尚”と田畑の”田”を併せ、”互いの田の価値や広さを見合う(比べる)、自分の田が相手の田に相当する(同レベルだ)”などという意味を表していたわけです。「当」の現在の意味は、”あたる、あてはまる、釣り合う、(事物を表す名刺の上に付けて)ちょうど○○・この○○”といったものになります。

「弊社」はへりくだる時に使う。

「弊」の古い漢字の部首に”犬”という字が使われていたことからも、「弊社」という際に語り手が意識しているのは、相手の会社と自分の会社の立場・位置関係であるといえるでしょう。

犬が人の上に立つことはないように、相手の会社を敬って持ち上げ、へりくだった立場から自分達を”ちっぽけな会社”、”(相手に対して)及ばない・劣っている会社”と謙遜していることになります。冒頭で例としてあげた「小社」もこれと近い表現だと言えますね。

こうして文章にするとひどく卑屈なニュアンスを含む言葉のようにも感じられますが、これは飽くまで「当社」との違いを知るために古い字体にまで遡って確認した結果であって、実際に「弊社」という言葉を使う際にはそこまで深い意味に捉える必要はありません。単純に(取引先の会社や顧客などの)先方を敬い、謙遜する意思を示す際に「弊社」を使う、と考えておく程度で充分です。

「当社」は対等な立場を主張する時に使う。

「当社」という場合に語り手によって意識されるのも、やはり会社同士の立場・位置関係です。

漢字の意味で確認したように、「当社」という言葉は”ちょうど私達の会社、こちらの会社”といった単純な意味しか持ちません。相手の会社と自分の会社の関係を敢えて言葉にするならば、”私達はあなた方に見合っている、双方釣り合いがとれている”ということになり、「弊社」という時のように相手を敬ったり、こちらがへりくだったりするようなニュアンスは含まれません。

「弊社」ではなく「当社」という方が相応しいのは、先方に対して自分の会社の正当性を主張する場合や、自分の会社内で自分達の会社を話題にするなど、へりくだる必要がない時です。社内報などで自分の会社を「弊社」と呼ぶのは、誰に対してへりくだっているのかが分からないので、間違いということになります。このような場合には「当社」を使うのが妥当です。

特に会社同士の付き合いなどにおいては、適切な言葉を使えないことが致命的なミスとなり得ることもあります。自然な言葉の使い分けを身に付けておきたいものです。

2016/04/03 更新

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