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否定・断りでは終わらない!代替案の提示の仕方

仕事をしていれば自分にとって不都合なタイミングでの依頼や誘いがあるものです。相手に合わせるのも仕事のうちですが、すべてを相手の要望通りにしてしまうと自分のリソースを割かれたり、プライベートを犠牲にすることになってしまいます。自分と意見が合わない、スケジュールが合わないという場合には、はっきりと断ることも必要ですが、相手のオーダーに対して失礼がないようにするためには、きちんと代替案をセットで提示することが大切です。

意見・依頼に対する安直な否定・断りは角が立ちやすい

上司から仕事を頼まれれば、なかなか簡単に断ることができないのが社会人としての性でしょう。また、商談や会議の席で自分と違う意見を言われた際、本心では違うとは思っていてもそれを口に出すのはとても勇気がいることです。しかし、すべての要求を呑んでいると、「誘いやお願いを断らない人」というレッテルがついてしまいます。そして、さらに本意ではない面倒な仕事を押しつけられてしまうことにもなりかねません。 もちろん、何でもかんでも否定・断りを入れればよいというわけでもありません。なぜなら相手は良かれと思い意見を言ってくれたり、自己成長のためにと仕事を依頼してくれたりしている可能性も高いからです。意見、誘いに対して頭ごなしに否定・断りを入れれば角が立ちやすく、将来自分が困ったときに誰からも助けを得られないかもしれません。

相手の気分を害さない振る舞いが大切

たとえば、相手の言うことに賛同できず自分の意見を通したいと考えた場合でも、その考えを一方的に伝えるのではなく、次につながるよう相手の気分を害さない振る舞いが求められます。ポイントは「感謝を示すこと」「肯定・謝罪をすること」「代替案を提示すること」の3つです。 ▼感謝を示すこと どんなに自分と正反対の意見であろうと、また、嫌な仕事であろうと、まずは自分に意見、依頼をしてくれた相手に対する感謝の気持ちを伝えることは基本の姿勢です。感謝を表すことでひとまず良好な関係性にあることを示しましょう。 ▼肯定・謝罪をすること 次に相手の意に背く場合は、意見に対しては肯定、依頼に対しては謝罪を告げましょう。自分とは違う意見であってもいきなり否定されては当然、相手は気分を害します。「それは気づきませんでした」「そういうやり方もあるのですね」など相手の意見を一旦、受け入れましょう。 また、依頼に対しては、理由を説明したうえで謝罪をします。急ぎの仕事が入っている、自分のスキルではお役に立つことができないなど、明確な理由を告げたうえで謝罪をすれば相手も納得してくれる可能性が高まります。 ▼代替案を提示すること 相手の意見を否定する際、単純に否定するのではなく代替案を出すことで相手に少し寄り添うことができます。「今回はこういった制約があるのでできませんが、こういうことをやるときにはぜひ参考にします」「〇〇さんのアイデアだとちょっと準備が間に合いそうにないので、少し変えた形でやってみたいと思います」など相手の意見もうまく取り入れるような形をとれば、最終的に否定であっても気分を害することは少ないでしょう。 誘いを断る場合も、「後日であれば参加できます」「今後は自分からお誘いしますね」など、自分でできることを明示することで相手の心情を損ねずに済むはずです。依頼した相手の面子をつぶすこともなく、断ることができます。そして、最後にもう一度、謝罪を入れることを忘れないようにしてください。

代替案の提示によって調和は保たれる

ビジネスにおいては否定することも断りを入れることも決して悪いことではありません。しかし、不用意な反応をすることで相手を傷つけたり、気分を害してしまい、これまでの関係性が崩れることもあります。その点は常に意識しておきましょう。 否定・断りをするものの、相手の納得を得たいときは代替案の提示が役に立ちます。ビジネスの世界も、人と人の付き合いが基本であることには変わりません。円滑なビジネスを行うための手段として、調和を保ち、相手の気持ちに寄り添うこと——つまり代替案をうまく活用すべきです。

2021/04/19 更新

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