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仕事のできる人が自身のノウハウを公開する理由

仕事を円滑に進めるうえでの近道の1つとして、成功者のノウハウを自身の行動に取り入れることが挙げられます。なぜなら、すでに成功している人のやり方を踏襲することでうまくいく可能性が高まるからです。そうした成功の秘訣とも言えるノウハウはいわば企業秘密とも言えますが、仕事ができる人はノウハウの公開を惜しまない傾向にあります。なぜそのような行動に移せるのでしょうか。

できる人ほど惜しみなくノウハウを教える

自らが得たノウハウを人に教えることをためらう理由があるとすれば、一番に考えられるのは、自分との差別化要素がなくなってしまうことではないでしょうか。教えた相手がノウハウを習得し、実力を高めることで自身の存在価値が揺らぐ危険性があることを危惧するかもしれません。しかし、ノウハウを公開することは、決してマイナスの行為ではなく、実は以下に挙げられるようにメリットの方が多いと言えます。 ▼チームとしての総合力が上がる 会社は基本的に1人ではなくチーム単位で業務を行います。チームの中に仕事のノウハウを理解していないメンバーがいれば全体にも影響を及ぼすことが考えられます。そういった人に対しノウハウを公開することで、結果としてチームの大きな成果に導くことを優先するのです。 ▼ノウハウのアップデートができる ノウハウに限らず仕事で得たスキルや知見は、人に教えることでより整理されて自分の中により深く定着します。また、場合によってはノウハウを教えていく過程で周りの意見を取り入れることで、さらに実用的なノウハウにアップデートされることもあります。 できる人はノウハウを自分の中に溜め込んでおくよりも、人に教えたほうがさらによりよいノウハウを得られると考えており、チーム全体の生産性が上がることを知っています。つまり、ノウハウを公開する方が自身の成長につながり、ひいてはチームや会社にもより多くの貢献ができるとプラスに捉えるのです。

ノウハウは知るだけではなく行動に移すことが大切

ではノウハウを教われば必ず業務の生産性が上がるのかというと、そんなことはありません。多くの人はノウハウを知ることに一生懸命になりがちですが、実は頭で理解するだけでなく実際に行動に移さなくては意味がないのです。ノウハウを頭の中でだけ理解したつもりになっても、実践するタイミングで上手くいかなかったということは珍しくありません。 教えてもらったノウハウを実際にやってみて、経験として蓄積することで初めてそのノウハウが自分のものになります。ボールの投げ方とバットの振り方を教わっただけで急に野球が上手くなることはないのと同様です。何度も実践して、どうしてこの投げ方が良いのか、どうしてこの打ち方が良いのかという根本を理解しなければ、いつまでたっても成長は期待できないでしょう。 ビジネスでも処世術系の書籍が人気を博しているとおり、多くの人は成功体験に基づくテクニックを知ることを追い求める傾向があります。しかし、十人十色であり、同じやり方をして成功する人もいれば、しない人もいるでしょう。そのため、ノウハウ(know‐how)を吸収することばかりに捉われるのではなく、物事の本質であるノウホワイ(know‐why)を理解する必要があります。

物事の本質のノウホワイ(know‐why)を重視すべき

ノウハウはあくまでも仕事のやり方の1つでしかありません。だからこそ行動に移さなくては、実際の成功体験を得ることは難しいでしょう。ノウハウをうまく活かすには、物事の本質をきちんと理解したうえで、常に有効打を選択することが重要です。つまり、そのノウハウを駆使することでなぜ成功に近づけるのかを理解できていないと、ノウハウを使いこなすことができないということです。 できる人は成功するためのノウハウ、つまり秘訣やコツなどに固執することはありません。なぜなら状況に合わせて新たなノウハウを自分で構築することができるからです。そして、自身のノウハウを周知することで有益な情報を共有し、全体レベルを底上げした方がノウホワイ(know‐why)、つまり物事の本質において価値があると考えるからです。 重要なことは知り得たノウハウを繰り返し実践することで、その先にある本質=ノウホワイを理解すること。それができれば自分なりのノウハウを臨機応変にアップデートすることができるでしょう。そして、指導する側に回った際に後進に対してノウハウを共有することでまた自身の価値を高めることもできるはずです。そうしたプラスのサイクルをつくることこそが、ノウハウを公開することの最大のメリットだと言えるでしょう。

2021/04/16 更新

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