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「~になります」はバイト敬語?正しい使い方とは?

「~になります」はバイト敬語?正しい使い方とは?

いつの頃からか「~になります」という言い方が、街中にあふれています。最も多く使われている場面は、商品の売り手と買い手との会話です。身近なところでは、コンビニエンスストアやファミリーレストランなどで耳にすることが多いです。実は「~になります」はバイト敬語と呼ばれる敬語としては誤った表現です。

バイト敬語とは?

コンビニエンスストアやファミリーレストランで盛んに使われているため、それぞれの頭文字をとって「ファミコン敬語」と言われたり、使っている店員の多くがアルバイトであることから「バイト敬語」と言われたりしています。

本来の敬語とは、目上の人に対する尊敬語や、自らへりくだる謙譲語、一般的な丁寧語ですが、世の中の移り変わりのなかで、それらの敬語の意味や使われ方が正確に理解されなくなった現れです。アルバイトは若者が多いため、このような現象を「若者の言葉の乱れ」と批評する人もいます。

しかし、このような使い方はアルバイトだけではなく、他の多くの場面で使われており、不自然さを感じなくなっている人が増え、ますます拡大しています。

「~になります」の間違った使い方

そもそも「~なります」とは「AがBになる」のように何かが変化する際に使用します。コンビニエンスストアで198円の商品を買ったお客さんが、レジの店員に200円を渡した場合、店員が「2円のお返しになります」という場面をよく見かけますが、お釣りは変化したものではないので「なります」という表現は正しくありません。「2円のお返しでございます」が正しい表現です。ビジネスの場でも「なります」とバイト敬語を頻繁に耳にします。例えば、提案資料をお客様に渡す際に「こちらが提案資料になります」など、丁寧な言葉づかいをしようと意識してバイト敬語を使う人を良く目にします。

「~になります」が正しい場面

本来「~になります」は、「何かが何かに変化する」場合に使われる文末語ですので、例えば「オタマジャクシは大きくなるとカエルになります」といった使い方です。コンビニエンスストアで受け取るお釣りはお釣りそのものであり、何の変化もありません。ファミリーレストランで運ばれてくるハンバーグも何かが変化するものではありません。わかりやすい使い分け方としては、目の前の事実を伝えるだけの場合は「~でございます」を使用して、「~でございます」では日本語が成り立たないような変化が生じる際に「~になります」を使用するのがいいでしょう。

2023/12/15 更新

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