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国際化で需要の増加が予想される「通訳」

2021/06/07
その他・専門

国際化で需要の増加が予想される「通訳」

異なる言語を正確に訳す言葉のエキスパートである通訳。海外のアーティストやスポーツ選手の横で日本語訳を伝えている姿はよく見受けられます。通訳は相手が伝えたいことを仲介して適切な言語に変換して伝える必要があるため、語学が堪能であることはもちろんのこと、日本語の能力にも長けている必要があります。では、通訳を目指すうえではどのような能力や素養が求められるのでしょうか。

 

国籍を超えたコミュニケーションを助ける仕事

国際化が進む現代社会において、戦後義務教育では英語教育が行われてきました。しかし、現実には社会に出るまでに英会話が満足にできるようになる人はほんのわずかしかいません。学生の頃は英語の難しい文章をすらすら読んでいたにもかかわらず、実際に現在外国人と対峙すると何も話せなくなってしまうという人がほとんどではないでしょうか。

そのため、国境を越えたビジネスを展開する海外の企業とのやりとりや外国人が多く訪れる観光地などでは、外国語を日本語訳して外国人との意思疎通をリードできる通訳が必要とされています。

通訳というと英語と日本語のやり取りをイメージしがちですが、昨今では企業の海外進出に伴って中国やインド、アラブ諸国などさまざまな新興国の言語の通訳が求められるようになってきています。

言語能力だけではない通訳の素養とは

外国人とのコミュニケーションの難しさは単に言語の違いだけでなく、生まれ育った国の文化が異なることも要因に挙げられます。

通訳は言葉のプロフェッショナルとして、会話の内容を的確に訳さなければなりません。そのため、ビジネス通訳や国際会議での同時通訳などの現場では、高い語学力や表現力のほかに会話の内容を理解するための専門知識が求められます。また、通訳の仕事は直訳では成り立ちません。例えばですが、日本語には遠回しな表現が多い等、その国々にしかない言葉の言い回しがあります。そうした単語や表現のニュアンスをどのように言い換えるかが通訳の腕の見せどころであり、語彙やセンスが試される場面でもあります。

意図せず会話に含まれてしまった信仰上のタブーや差別用語などは、相手に失礼のない言い方に変えるなど、言葉の意味を瞬時に把握する頭の回転の速さと気配りも通訳に求められる素養です。そのため、自分の意思や価値観を仕事に持ち込まず、多様な価値観とフラットに接する姿勢が求められます。言葉の意味をどう解釈するかは通訳者によって異なります。従って、通訳は言葉の架け橋として、相手の国の文化、宗教、生活習慣などに関する豊富な知識を備えていないと務まらない職業なのです。

東京五輪開催で見込まれる需要

世界最大の祭典であるオリンピックの開催にあたって注目されている職業が、日本を訪れる外国人観光客に同行し、外国語で旅行に関する案内を行う「通訳案内士」の仕事です。

通訳案内士として報酬を得るためには「通訳案内士」の国家資格が必要です。この資格は年齢、性別、学歴、国籍を問わず受験が可能で、2020年の実績としては10ヵ国語で489人が合格しています。通訳案内士は、語学力が優秀であるだけでなく、日本の地理、歴史、産業、政治などに関する幅広い知識を使って外国人に日本を紹介する仕事です。

おもてなしを掲げる日本の観光産業の代表として、外国人の旅行をサポートするということは簡単ではありませんが、自分の能力を最大限に活かして働ける通訳案内士はやりがいある仕事だといえるでしょう。国際化に伴って需要が高まる通訳は、どんな場面にも対応できる柔軟性や日本や外国の文化に関する幅広い教養が求められます。国際社会で活躍するためには自国の文化、地理、歴史のみならず世界に対しての探究心を持ち、確かな語学力と表現力を磨き続ける努力が必要です。

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2021/06/07 更新

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