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遠隔での業務遂行を実現するリモートワークの是非

2019/10/21

 

遠隔での業務遂行を実現するリモートワークの是非

近年、働き方の多様性が以前よりも認められる世の中になりつつありますが、その最たる例がリモートワークではないでしょうか。職場に通勤することなく、遠隔で業務が行えるこのワークスタイルは、育児や介護との両立を実現しやすいなど働き方の幅をより広げることが期待されます。ただ、日本ではまだ増加傾向にあるリモートワークに対して後ろ向きの見方もあるようです。より自由な働き方を世の中に浸透させるためにも、多くの人が納得できる“リモートワークの在り方”について考えていきます。

近年注目されているリモートワークとは

従来までの常識で考えると、会社勤めの方であれば仕事をする際に出社するか、あるいは取引先や出向先に訪問することが当然でした。たとえば、勤務時間中に公園やカフェなどで油を売っていれば、それは「サボり」と見なされ、その事実が会社に伝わることで上司に雷を落とされるといった情景を思い描くことは容易いでしょう。しかし、現在ではインターネットの普及もあり、遠隔でもパソコンとWi-Fi環境があれば公園でもカフェでも仕事ができます。つまり、仕事をする場所を選ぶ必要がなくなりつつあると言えます。

そうした時代背景の中で浸透し始めているのが「リモートワーク」です。リモートワークはその名の通り、在籍する会社のオフィスに出社することなく、自宅などの遠隔(リモート)地で業務を行うスタイルで、在宅勤務のテレワークなどと同様に近年人気が高まっている働き方です。場所や時間の制約にとらわれずに働ける点がメリットであり、育児・介護と仕事の両立が実現しやすいワークスタイルとして注目度も高まっています。

リモートワークであれば、通勤の際の移動の負担や時間のロスがなくなる点も魅力です。特に勤務地と自宅が遠い場合は、毎日何時間もかけて会社に出社する時間を削減することができます。それは満員電車による精神的、肉体的なストレスにさらさせることもなければ、移動時間を別の業務や休憩などに充てることにもつながります。労働者が心身共により良い環境で効率的に働けるリモートワークは、雇用者にとっても有意義な働き方だと言えるでしょう。

テクノロジーで可視化されるリモートワーク

一見すると良いこと尽くめのリモートワークですが、当然ながら課題も少なくありません。もっとも心配される点は、会社の監視下に置けないことによって労働者がきちんと働いているか確認できないことでしょう。会社に出社していれば、上司が目を光らせて個々の労働者の業務効率をチェックすることができます。しかし、リモートワークでは、働いている様子を直接見ることができないので“サボりの抑止”が難しく、さらに労働者側にとっても他人の目がないことで働く意欲が弛緩してしまう恐れがあるでしょう。

きちんと働いているのかをチェックすることが難しいリモートワークですが、そうした懸念事項を解決するためのテクノロジーも実は導入され始めています。たとえば、共通の仕事管理ツールを使用すれば、業務の進捗状況がリアルタイムでわかるようになるでしょう。また、Skypeなど利用したビデオ会議を導入すれば、遠隔でも顔を見合わせ、お互いの声を聞きながら業務を遂行することができます。

自宅勤務をイメージすると、チャットでのやり取りだけに終始するなど閉ざされた業務環境をイメージしがちですが、ITツールなどのテクノロジーを駆使すればお互いの業務内容を可視化することも十分可能です。それはリモートワークを導入する企業や労働者1人ひとりの意識によって、機能的な働き方が実現できるのだと言えるでしょう。

変わらない「成果を挙げる」という仕事の本質

課題を克服すれば、大いに業務効率を改善できる可能性を秘めるリモートワークですが、忘れてはならないのは「成果を挙げる」という仕事の本質は変わらないという点です。当然ながら場所やスタイルが変わったとしても給与に見合う労働が求められます。

そのため、「リモートワークの方が楽そう」など安易な理由からワークスタイルを変更することをおすすめはしません。子どもの世話や親の介護などどうしても自宅を離れられない事情がある場合や、出社時よりも効率的な仕事ができる根拠が示せる場合など、会社で働かなくてもいい理由が明確であればリモートワークを推奨できるでしょう。

「通勤時間を削減できる」「プライベートな空間で仕事ができる」などメリットばかりがフィーチャーされるリモートワーク。しかし、職場で働くのと変わらず「仕事」であるという本質を忘れてはいけません。そのため、上司の管理下にいる場合と何ら変わりないパフォーマンスを発揮することが求められます。

 

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2019/10/21 更新

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