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近未来の働き方「複業」で労働者が幸せになれるワケ

2019/12/02

 

近未来の働き方「複業」で労働者が幸せになれるワケ

終身雇用や年功序列といった日本の社会の在り方が徐々に変わりつつある現在。変革の波に飲まれることなく、新しい時代のワークスタイルを確立するためには、労働者1人ひとりも変わる必要があります。会社の言わば駒として働くことに不満や不安を抱えているのであれば、社会の変化を待つのではなく労働者自身が自覚を持ってそれぞれの働き方を見つめ直す段階に来ています。多様化する今後の社会で生き抜くための1つのヒントとなるのが「複業」というキーワード。複数の企業と労働契約を結ぶ働き方です。

多くの日本人が働き方に不満足という現状

「日本人は仕事において勤勉で真面目である」というイメージを世界中の人が持っていると信じている方は多いでしょう。しかし、それは幻想に過ぎません。実際のところはその真逆で、日本は世界に比べて従業員エンゲージメント(従業員の会社に対する愛着心や思い入れ)が低く、現状の仕事に対して何らかの不満を持っているケースが大半なのです。なぜ従来までの勤勉な日本人のイメージと現状とで乖離が生まれているのでしょうか。その要因として、社会を取り巻く環境の変化が挙げられます。

従来までの日本は、1つの会社に定年まで就業する終身雇用が一般的でした。そのため、会社での将来を案じるがゆえに不平不満があってもじっと耐えしのぎ、会社のために粉骨砕身となり働く人が多数を占めていました。しかし、時代は移り変わり、日本特有の終身雇用も終焉を迎えつつあります。社会人生活を1つの会社で終えることなく、自身の意思でキャリアを変更する転職が当たり前の時代となっただけに、職場への不満をひた隠しにする必要もなくなりました。

実際に、米国の調査会社ギャラップによると、仕事に対するエンゲージメントの高い「熱意あふれる社員」の割合が、米国の32%に対して日本はわずか6%に留まったそうです。一方で同調査において、日本の「やる気のない社員」は70%と驚愕の数字を叩き出しています。これまでは会社人間として自己犠牲の精神で働いてきた日本人も、現状としては自身の置かれている雇用状況に満足していないケースが増えてきているのは明白です。

副業や複業など多様化が進むワークスタイル

では雇用状況に満足できていない人たちは、これからもずっと幸せに働くことができないのかと問われれば、それは「NO」だと言えます。なぜなら日本社会においても少しずつ多様な働き方を認める傾向にあり、現状の会社や雇用状況に不満を抱えているのなら、転職してキャリアチェンジすることが以前よりも容易になってきているからです。また、これまでは1つの会社に所属している場合、他の会社の仕事を受ける「副業」はあまり容認されない傾向にありましたが、それも変わりつつあります。

そして、近年では副業ともさらに異なるスタイルの働き方に注目が集まってきています。言わばフリーランスのように複数の会社と雇用契約あるいは業務提携を結ぶ「複業」という働き方です。副業と複業は複数の仕事を受ける点では同様ですが、本業に対する考え方が明確に異なります。副業は本業となる会社と雇用契約を結んでその空き時間で他の仕事を受けるスタイルですが、複業は収入源となる仕事であっても必ずしも本業とは限りません。仕事における主眼を置くポイントが異なるというわけです。

終身雇用という1つの会社に骨をうずめる働き方が変わりつつある中、転職はもちろん副業や複業すらスタンダードになる未来がすでに訪れようとしています。「会社主体」で考えられていた仕事も、これからの時代は「労働者主体」で考えられるべきであるという声も大きくなってきており、そうした時代の流れを象徴するのが複業だと言えます。今後はさらに働き方の多様化が進んでいくことでしょう。

複業による労働者主体の働き方がスタンダードに

複業による「労働者主体」の働き方がより社会に浸透していけば、特定の会社に勤めるという従来までの働き方自体が近い将来には一選択肢に過ぎなくなるかもしれません。それは、たとえ勤務するのが名のある大企業に勤務していても同様であり、より自身の能力を発揮していきたい人にとっては1つの会社に留まることがデメリットとなることもあるでしょう。

会社から安定を享受する時代から、自ら仕事を取りに行く時代に移り変わりつつある現代。特定の会社にこだわらず、自分の強みや個性を活かして社会に貢献する複業によって、より労働者が仕事に意義を感じるようになる世の中になっていくでしょう。そうした働き方のスタンダードがシフトしていく中で、より重要になるのは自身が働きやすい環境や条件を求めるマインドです。

会社に勤務していれば給与がもらえるのは雇用が安定している証拠であり、非常に素晴らしいことですが、それがこの先、何十年も安泰かと言えばそうではないでしょう。だからこそ、働くことに労働者自身が興味・関心を抱き、自らが仕事を率先して取りに行くことが今後より重要になるはずです。雇用の常識が変化している時代の中で、複業は理に適った働き方ではないでしょうか。

 

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2019/12/02 更新

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