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未来の労働環境は人とAIの協働型?!

2019/07/08
フィンテック活用術第6回:未来の働き方の理想は人とAIが協働する社会

 

未来の働き方における理想的な環境は人とAIの協働型

少子高齢化に伴い、深刻な生産年齢人口不足が予想される日本では、労働力不足をいかにして補うかが盛んに議論されています。その有力手段として検討されているのがAI(人工知能)との協働です。「AIが将来的に人の仕事を奪う」というセンセーショナルな見出しがニュースを飾る中、AIと分業で仕事を進める未来はどのように訪れるのでしょうか。AIとの付き合い方を考えていきましょう。

AIに関して行動・意識ともに遅れている日本

アクセンチュア株式会社が2018年5月に開催した記者説明会「雇用・働き方の未来〜人とインテリジェント・テクノロジー」において、日本は世界の先進国と比べAIに関する行動や意識が遅れているとされています。特に「AIと協働するために新たなスキルを習得することが重要」と考えている労働者の割合と、「過去1年間に、AIとの協働に向けたスキル習得に取り組んだ人の割合」では、日本はほかの調査対象10ヶ国から大きく引き離されており、日本の労働者とAIの距離の遠さが浮き彫りになっています。

人工知能の性能が日ごとにアップデートされていくなか、日本では現場の労働者層はもとより経営層でさえも、AIの発展を他人事のように捉えているのが現状です。日本が労働力不足を乗り越え、国際的な競争力を維持していくためには、経営者がAIを活用して業務プロセスを再構築し、人間とAIが協働できる環境を整えることが必要になるでしょう。

また、日本の労働者の多くは、AIが自分の仕事にもたらす影響を理解しておらず、AIの導入に漠然とした不安を抱いていることもAIとの協働で世界に後れをとる要因となっています。AIを未知なる脅威としてではなく、労働のパートナーとして歓迎するためには、労働者1人ひとりがAIの特性や得意分野を知り、AIと協働するための学びを深めること、そして企業がその教育機会を設けることが不可欠です。

AI活用における本質的なこととは

ここ数年、「AIによって仕事を奪われる」職種や「AI同士が独自の言語で会話を始めた」などのニュースが幾度も話題となりました。AIは意思決定のプロセスが見えにくいという特性から、“AI脅威論”が蔓延している昨今ですが、本来AIは人間の仕事を奪うためではなく、人間が不得意な作業を効率化するツールとして開発されたものです。人間とAIが業務で連携し、それぞれの強みを発揮すれば、人間が単独でタスクをこなすよりも大きな価値が生み出せるでしょう。

人間がAIよりも得意としているのは、プロジェクトの進行管理や改善・工夫、共感、コミュニケーションといった業務です。一方、AIは大量のプロセス処理や反復作業、計算といった作業を、人間より正確かつスピーディーに行うことができます。人間が得意な領域と、AIが得意な領域を切り分け、成果が最大化するように業務プロセスを組み直すことさえできれば、日本でも問題なくAIを活用できるはずです。

また、欧米ではジョブ・ディスクリプション(業務記述書)によって自分の仕事の領域が比較的厳密に区切られている場合が多いため、AIに自分の仕事が侵されたように感じることもありますが、日本ではもともと自分の仕事の領域があいまいであるため、AIの活躍に反感を抱くことは少ないと想定されます。AI後進国となってしまった日本ですが、仕事でAIと協働できる素地は大きく、協働のモデルが完成しさえすれば、一般的な普及にはそれほど時間がかからないかもしれません。

人とAIの協働で生まれる働き方の新たなシナジー

前述の記者説明会で示された2035年の各国のGVA成長率(GDP成長率にほぼ相当)では、企業がAIを最大活用した場合、日本のGVAは2.7%の成長が見込めるのに対して、最大活用できなかった場合の伸び率は0.8%にとどまってしまうと予想されています。企業がAIの活用と従業員の教育に本腰を入れなければ、今後日本経済が停滞してしまう可能性もあるでしょう。

日本はもともと優れた機械技術を有しているため、AIが持つ高度な知能にその手足となる機械技術を融合すれば、大きな経済効果が見込めると考えられています。まずは仕事をタスク起点で洗い出し、AIを活用した業務プロセスを構築すること、適切な社員教育でスキルを強化すること、などは有効でしょう。そして、AIとの協働モデルを企業の内外で共有し日本の企業全体で知見を広げていくことで、国際的な水準を保持していけるのではないでしょうか。

人間とAIが正しい形で協働すれば、今までにない大きなシナジーを生み出すことができるはずです。人間とAIは互いに異なった強みやスキルを持つ対等のパートナーとして、連携・補完し合える関係を模索していくことが重要であり、それらが将来的に労働者にとって働きやすい環境整備につながっていくでしょう。

 

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2019/07/08 更新

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