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マイナンバーカードを例とするデジタル化社会への心構え

2019/12/23

 

マイナンバーカードを例とするデジタル化社会への心構え

2016年1月に開始されたマイナンバー制度。しかし、実社会での活用頻度や世間一般の認知度はまだまだ低く、残念ながらその存在感は希薄であると言えます。しかし、日本が本格的にデジタル化社会を望むのであれば、マイナンバーの活用は肝になることは想像に難くありません。ではなぜ、マイナンバーはここまで関心が低く、国民全体に普及していないのでしょうか。今回はマイナンバーカードを例とするデジタル化社会への心構えについて言及します。

日本でなかなか普及しないマイナンバーカード

日本政府は2013年に経済の繁栄を目指して世界最高水準のIT 利活用社会の実現を掲げ、「世界最先端IT国家創造宣言」を閣議決定しました。国を挙げてデジタル化へのシフトを図っていきたいという気概は感じられたものの、いかんせんその実が伴っていないのが現状。なぜならデジタル化社会におけるオンラインサービスの主軸となると目されていたマイナンバーカードがあまり普及していないからです。

総務省が2018年3月16日に公表した市区町村別の自治体における「マイナンバーカード取得促進のための先進事例集」によると、全国での交付枚数率10.7%に留まっていることがわかりました。つまり、あれだけ導入時に話題になったマイナンバーカードですが、実際に普及して利用している人の割合はまだ1割ほどしかないのが現実です。

ニュースでその普及率の低さに関する報道も盛んに行われていますが、より深刻なのはユーザーである国民の関心が低いこと。マイナンバーカードを取得していない人が多いにもかかわらず、今後も取得するつもりがない人が多数を占めているようです。つまり、必要性を実感してもらえていないという悲しい現状にあります。この状況はデジタル化社会を目指す日本にとって大きな痛手を負っている状態だと言えます。

国家IDでデジタル化社会を形成したエストニアの事例

マイナンバーカードの普及で足踏みしている日本を尻目に、世界の各国ではテクノロジーを駆使してデジタル化社会を実現しています。その最たる例が、国を挙げてブロックチェーン技術を活用しているエストニアです。エストニアという国名を聞いてピンと来る方ばかりではないと思いますが、1991年にソ連から独立を果たした人口約132万人の小国では、その規模の小ささゆえに意思決定スピードは早く、国内における電子化の流れは非常にスムーズでした。

すでに行政手続や個人IDカードの電子化が実現できており、ネットバンキングも普及しています。各行政機関のデータベースにおいても、個人情報をオンラインで確認できるシステムが整備されており、IDカードの普及率は8割を超えます。これはエストニアにおける国民の大半が電子化にすでに対応していることを意味します。日本と比較すると大きな違いだと言えるでしょう。

エストニアではIDカードで国政選挙の投票も行えます。そのため、わざわざ投票所に出向く必要もなく、自宅からの処理で完結します。また、国家主導で仮想通貨エストコインを発行するなど、フィンテックの技術革新にも力を入れています。民間企業も国を挙げての電子化への取り組みに大きく寄与しており、国民が“ブロックチェーン先進国”としての自負がある点も成功事例となった要因です。

労働者1人ひとりの意識改革がデジタル化の課題

“ブロックチェーン先進国”のエストニアと比較すると、日本のデジタル化社会へのシフトは大きく後れを取っていると言わざるを得ません。マイナンバーカードの普及率の事例は、日本の変革への足取りの重さを表していると言えるでしょう。しかし、そうした事態になっていることを、多くの国民は他人事として捉えてはいないでしょうか。政府や社会のせいにして、自分自身が変わろうとしていないという事実も、きちんと直視しなければなりません。

日本では、マイナンバーカードが浸透していないことを理由に、新たなテクノロジーに関心を示さないでいる方が多くの割合を占めています。しかし、そうした態度は今後見直す必要があるでしょう。なぜならば、大きな改革を遂げるためには、他人任せにすることが一番の妨げとなるからです。そのため、労働者1人ひとりが自分事と捉え、社会の変化やイノベーションの流れについて理解を深めることが大切です。変革を求めるマインドが全体に根づくことで、マイナンバーカードの普及率も劇的に変わってくるでしょう。

 

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2019/12/23 更新

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