テックとワークとライフ > “給与前払いシステム”で高める従業員満足

“給与前払いシステム”で高める従業員満足

2019/05/13

 

“給与前払いシステム”で高める従業員満足

現在、労働の対価として支払われる給与は給料日に支給されることが一般的です。そのため、中には給料日までに急な出費がかさみ、資金繰りに苦労した経験のある方もいるでしょう。そうした給与支払いの現状に対して、近年ではフィンテックを活用した“給与前払いシステム”がさまざまな企業で定着し始めています。給与前払いシステムを利用することで、被雇用者である従業員の生活はどのように変化するのでしょうか。

給与を前払いシステムで変わる労働者の生活

近年、フィンテックを活用した給与の前払いシステムを導入する企業が増えています。給与前払いシステムとは、給料日前に従業員の口座に振り込まれる予定の給与から一部のお金を前もって支給するものです。このシステムを導入することで、企業は日払い、週払いに対応する経理担当者の労力を大幅に削減することができるほか、従業員1人ひとりの給与支払いに対する要望にきめ細かく応じることができ、従業員満足の向上が期待できます。

では実際に給料日に受け取るはずの給与から、ある程度の額を先に受け取れるというシステムは、従業員の生活にどのようなインパクトをもたらすのでしょうか。従業員と言っても、契約社員やパート、アルバイトなどの非正規雇用者を含めると、1人ひとりの待遇や経済状況は千差万別です。十分に貯蓄がある人もいれば、そうでない人もいるでしょう。

転居や病気、冠婚葬祭などのやむを得ない事情が重なると、1ヶ月の出費が収入を上回ってしまう場合があります。この状況を打開するために、カードローンや消費者金融で一時的に生活費を工面し、給料が入り次第借りた分を返済するという手段が考えられます。しかし、その方法ではわざわざお金を借りに行く手間だけでなく、返済が滞ると高額の利子がつくこともデメリットです。一方で給与前払いシステムを利用すれば、自分の給与から費用が捻出できるので急な出費があっても安心です。

混同しやすい前借りと給与前払いの違いとは?

従業員が希望すれば定められた給与支払日よりも前に給与が支払われる、給与の「前払い」ですが、巷でよく聞く「前借り」とは何が違うのでしょうか。言葉は似ていても、その本質はまったく異なるので、トラブル防止のためにそれぞれの意味合いを正しく理解しておきましょう。

まず、前払いとは、すでに労働した分の対価である給与を、所定の給料日より前に受け取ることです。労働基準法の25条には「使用者は、労働者が出産、疾病、災害その他厚生労働省令で定める非常時の費用に充てるための請求の場合においては、支払期日前であっても、既往の労働に対する賃金を支払わなければならない」と明記されており、労働者である従業員には、支払い予定の給与を給料日より前に請求する権利が認められています。

一方前借りとは、働いて返済することを条件に、未来の賃金から先に前借り分の金額を差し引くことです。この手続きを行うためには、お金を受け取る従業員が雇い主である企業と“金銭消費貸借”として契約を結ぶ必要があります。この処理を省略すると、企業側が労働基準法違反に問われる危険があるので、企業としては従業員の申請に対して、前借りではなく前払いで対応する方が無難だと言えるでしょう。

従業員満足によってもたらされる“人財”の定着

給与前払いシステムは、従来の給与支払いの常識を覆す画期的なサービスです。転職時期の兼ね合いで、一時的に受け取る給与が減ってしまうときや、思わぬ出費ですぐにお金が必要なときは非常に役に立つでしょう。

そういう意味では、企業にとって給与前払いシステムを導入することは、従業員が働きやすい環境を整えるために有効な手段だと言えます。経済状況によっては、まったく利用する機会のない従業員もいるかもしれませんが、働き方や価値観は多様化する一方なので給与支払いの選択肢の1つとして用意しておいて損はないと言えます。

雇用形態や勤務の時間帯だけでなく、給与支払いについても選択肢を増やすことが、現代の企業に求められる変革の第1歩なのではないでしょうか。このように給与の在り方に関しても選択の幅を広げることによって、従業員満足が高まり、ひいては企業にとって貴重な“人財”の定着にもつながるはずです。

 

▼人材の獲得と定着に効く、給与前払いサービス CYURICA

CYURICAサービスはこちら

2019/05/13 更新

Copyright © 2024 HUMANTRUST All Right Reserved.