来る5G時代の幕開けで起こる労働者の働き方の変化
来る5G時代の幕開けで起こる労働者の働き方の変化
現代人のほとんどが自身のスマートフォンを所有するほど普及率が高まっています。それゆえに電波状況の横に表示されている「4G」という表記に見覚えがある人がほとんどでしょう。4Gとは急速に普及したスマホをさらに快適に使用できるように通信速度を高速化させた技術革新のレベルを表しています。そして、近い将来には4Gを凌駕する5Gが登場する時代が来ると言われています。では実際に5G時代が到来した際に人々の生活や働き方にはどんな変化があるのでしょうか。
目指される脱スマホの「5G時代」とは
スマホを筆頭とする通信機器などのネットワークの分野は常に進化を続けていますが、東京で五輪が開催される2020年に向けて「5G」が実用化・商用化に向けて開発が進められています。近年の通信業界におけるキーワードの1つとなっている5Gですが、みなさんは何を意味しているか正確にご存知でしょうか？人によっては数の単位であるGiga(ギガ)と勘違いしている人もいるかもしれませんが、実はそれは間違いです。
5GのGは「Generation（世代）」を意味します。なぜ世代かと言うとモバイルネットワークの第5世代技術であることを表しているからです。5Gの特徴は何と言っても脱スマホのデバイスにとらわれない通信時代の形成。なぜそこに行きついたのかは、モバイルネットワークの発展の歴史を知ることが先決だと言えます。創世記の1G時代から始まり、次世代と呼ばれる5Gまでどのような進化を遂げてきたのか整理して紹介します。
1G時代はまだモバイルネットワークがアナログ無線技術だった時代でした。それが2Gになりデジタル化することでデータ通信が可能になり、携帯でメールなどの利用が本格化しました。さらに3Gで国際電気通信連合（ITU）による初の世界標準化が実現。1つの端末を世界中で使用できるようになりました。そして、現在の4Gはスマホ用に高速化を促進。データをスマホでサクサクと読める時代になりました。そして、5Gでついに脱スマホを実現しようとしています。これからはすべての端末で通信ができる時代となるのです。
5Gで実現するかもしれない「遠隔就労」
モノのインターネット（Internet of Things）であるIoTがAIと同様にメディアを賑わしていますが、IoTこそが端末にとらわれない通信を目指した5G時代の象徴とも言えます。5G時代では、生活に関わる物のすべてがネットワークでつながることで情報交換やデータの蓄積をすることができるようになると想定されています。それは人々の生活水準がより高くなるのはもちろんですが、働き方の在り方も変わるかもしれません。
近年ではリモートワークという言葉が盛んに使用されており、自宅や近所のカフェなどから遠隔で業務を行うことが徐々に認められる社会になりつつあります。しかし、それは4G時代においても実現できる働き方です。5G時代ではリモートワークを上回る「遠隔就労」の実現の可能性が期待されています。
とある大手建設業者では、常設の遠隔制御基地からネットワークを通して日本全国の建機をコントロールして業務を遂行する遠隔就労の実験が行われているそうです。これは現場に人がいなくても分身となる無人の建機で現場の作業を完遂できるという、現状では肉体労働が必須の建設業界において革命的な技術革新と言えます。実際に2020年に現場に導入できるかはわかりませんが、試験段階ではすでにそうした技術が取り入れられているという事実には期待が膨らむばかりです。
デジタルと既存ビジネスとの融合が成功の鍵
前述した建設業者の事例にもあるように、今後の5G時代においてはデジタル技術を既存ビジネスに組み込み、ネットワークを介して業務が連携することがスタンダードになるかもしれません。これまでネットワーク通信は一産業に過ぎませんでしたが、これからはすべての産業をつなげるキーとなるテクノロジーと言えるでしょう。そうした時代なだけに労働者1人ひとりにおいてもデジタルのリテラシーを高めることが不可欠となるはずです。
「デジタルに疎いから」という理由で学ぶことを怠ると、時代に合った働き方ができなくなるかもしれません。生活に関わるすべてがネットワークでつながる時代が訪れた際に困ることがないように、今のうちからデジタル産業に関して少しずつでも学び始めることをおすすめします。
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2019/11/25 更新
