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日本でもキャッシュレス化の波が?海外の金融IT事情

2019/06/03

 

日本でもキャッシュレス化の波が?海外の金融IT事情

買い物や食事をする際、代金の支払いは何で済ませますか?日本ではまだ現金払いが主流ですが、海外では、キャッシュレス化の流れが急激に加速しています。日本でももちろんクレジットカードや電子マネーで清算するケースは増えてきていますが、それでも「現金を一切持ち歩かない」という人は少ないでしょう。今回は、キャッシュレス化が進む海外の金融IT事情に触れながら、現金主義が根強い日本の将来像について考察します。

海外に比べてキャッシュレス化が遅れている日本

日本では買い物や食事の代金を現金で支払う“現金主義”がまだまだ多数派であり、キャッシュレス比率は約20%と言われています。これは中国の60%、アメリカの46%と比べるとかなり低い数字です。日本でキャッシュレス化が進まない理由の1つに偽札がほとんど流通しておらず、現金が信用されている点が挙げられますが、その一方で加盟店手数料が高いため、クレジットカード加盟店が普及しづらいというネガティブな理由もあります。

現金での決済にはお金の管理が面倒だったり、決済時にレジを待つ時間が長かったりと、私たちが思っている以上に人手がかかります。少子高齢化が進む日本では、これから現金決済にかける人手が不足することは避けられません。また、現金決済の維持には年間1兆円ものコストがかかっていることにも注目する必要があるでしょう。

「クレジットカード払いは不安」「現金払いの方が簡単」と思ってキャッシュレス化が進まないと、日本社会全体に大きなデメリットが生じることも考えられます。キャッシュレス化が進まないとどのような弊害があるのか、キャッシュレス社会を確立したスウェーデンの事例を見ながら、日本が取り組むべき課題について確認しましょう。

スウェーデンの現金使用率はわずか2%

驚くべき数字ですが、スウェーデンの現金使用率はわずか2%です。実際にスウェーデンでは「現金お断り」を掲げている店舗が少なくありません。現金決済をしないことでお店側には「強盗が入っても売上が盗まれない」「わざわざ現金を数えなくてよい」というメリットが生まれます。街行く人の中にも現金を一切持っていない人が大多数を占めており、「現金を下ろすのは面倒」という意見もあるくらいです。

このように、国を挙げてのキャッシュレス化を後押しした背景に「スウィッシュ」と呼ばれるスマホを使った決済サービスがあります。これは、アプリをダウンロードし個人情報を入力すると簡単に送金できるというものです。このシステムを使えば個人間のお金のやり取りも可能であり、たとえば、飲み会のお金を割り勘する際もシステムを簡単に操作するだけで完了できます。面倒な両替や小銭不足の心配はありません。

スウェーデンの場合、スウィッシュが普及したことがキャッシュレス化に大きく貢献したと考えられます。このシステムは、IT技術と金融サービスが融合した「FinTech(フィンテック)」の代表的な例と言えるでしょう。中国でも、モバイル端末を使ったQRコード決済が普及しつつあります。この決済方法は、QRコードを印刷した紙があれば始められます。そのため、お店側にインフラ導入のコストがほとんどかかりません。現金主義が根強い日本でキャッシュレス化を促進するためには、スウェーデンや中国に見られるような「キャッシュレス化しやすい」システムの導入が必要と言えるでしょう。

国際化を目指すうえではキャッシュレス化は急務

日本では海外に比べてキャッシュレス化が遅れていると説明しましたが、国内でも2008年以降の8年間でキャッシュレス比率はほぼ2倍になっているのも事実です。これは、オンラインショッピングや携帯電話の料金の支払いにクレジットカードを使うことが増えたことが要因に挙げられます。クレジットカード以外にも、SuicaやEdyなどの電子マネーの使用率も増加しています。

しかし、それでもまだまだ海外と比べるとまだまだキャッシュレス化が遅れていることを忘れてはいけません。これを受け、日本政府はキャッシュレス化を進める目標を2025年の大阪・関西万博に定め、それまでに電子決済の普及を進めていくようです。さらに2027年までには、キャッシュレス決済比率を今の2割から4割に増やすことを計画しています。

2020年には東京五輪も開催されます。そのときに、キャッシュレス社会に慣れた訪日外国人にとって、買い物がしやすい環境になっていることがベストです。なお、キャッシュレス化を行うと無人コンビニなどの新しいイノベーションを生み出しやすい、というメリットもあります。日本社会全体が国際化を意識するためには、現金を使いつつも、個人のビジネスマン単位からキャッシュレス化へのシフトを進めることが大切でしょう。

 

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2019/06/03 更新

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