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紙幣刷新による仮想通貨やデジタル通貨決済への影響

2020/02/24
紙幣刷新による仮想通貨やデジタル通貨決済への影響

 

紙幣刷新による仮想通貨やデジタル通貨決済への影響

2019年5月1日に施行された新元号「令和」のお披露目シーンは記憶に新しいところですが、日本政府は既存の紙幣や硬貨の刷新についても公表しました。新たな時代の幕開けを感じ、将来に対して期待に胸を躍らせている方も多いかもしれません。しかし、新紙幣については、疑問の声も挙がっています。それは世界各国がキャッシュレスを進めるこのタイミングでの刷新という点です。今回のコラムでは、刷新の意図とこれからの時代における労働者の適応について説明します。

2024年(令和6年)から新紙幣・新硬貨への刷新が決定

新紙幣・新硬貨の刷新が発表されましたが、実際に導入されるタイミングは2024年の上期を予定しています。実はこの政策は令和の新時代突入を記念して決定されたものではなく、日本政府が偽造防止の観点において約20年ごとに紙幣や硬貨を刷新してきた既定路線に基づいていることをご存知でしょうか。そのため、この刷新はキャッシュレス化が進む現代において「時代錯誤」という意見もありますが、偽造防止を目指すうえで必要に応じての政策ということがわかります。

ちなみに令和での刷新には大きな変化が伴います。それは文字通り「紙幣の顔」が変わることです。一万円札は「渋沢栄一」に、五千円札は「津田梅子」、千円札は「北里柴三郎」に変更されます。現在の一万円札の顔である福沢諭吉が変更になるのは1984年以来のことであり、昭和・平成・令和と3つの時代における紙幣の象徴が変わるのは、一大事とも呼べるでしょう。

そんな偉大な先人である福沢諭吉の後任となる渋沢栄一は、「近代日本経済の父」と呼ばれ、約500もの企業の設立や育成に関わった経済界の偉人です。現在の王子製紙やサッポロビールなど、名だたる大企業の設立にも関わっています。その影響力は経済界だけに留まらず、国立大学の名門校の1つである一橋大学の設立にも携わりました。次世代の紙幣の顔と呼ぶに相応しい人材であることは議論の余地はないでしょう。

紙幣刷新は偽造防止に加え「デジタルシフト」が目的

紙幣の顔が変わるなど、刷新に期待感を持つケースもあれば、「キャッシュレス化を先行した方が良い」という冷静な声があるのも事実です。しかし、紙幣刷新は偽造防止という大義以外にも、デジタルシフト推進策の一環であるとも言われています。3Dホログラムなどの技術を用いて偽造防止を強化するのは非常にわかりやすいため、「紙幣刷新=キャッシュレス化」と結びつけることが考えにくいのは当たり前の話です。ではキャッシュレス化に逆行する流れであると、必ずしも言い切れない根拠はどこにあるのでしょうか。

その問いの答えになり得るのが、2018年4月に経済産業省が発表した「キャッシュレス・ビジョン」です。日本全体のキャッシュレス化を促進することを目指すことが掲げられており、2027年までにキャッシュレス決算比率を40%まで引き上げることを目的としています。そして、2018年時点で20%の利用率を倍増させる起爆剤となるのが紙幣刷新です。この2つが結びつくカギは、企業の新紙幣のインフラ構築のコストが莫大になることが挙げられます。

最新テクノロジーを駆使した紙幣が市場に出回るとしたら、鉄道の券売機や銀行のATMなどもすべて新紙幣に対応する必要があります。つまり、現代の生活を支えているインフラ部分のテコ入れが不可欠なのです。しかし、企業側からすれば莫大な経費がかさむことから、導入を最小限に留めるためにキャッシュレス化が進むであろうというのが、専門家が考える「紙幣刷新=キャッシュレス化」の算段と言えます。そして、多くの労働者にも影響を与えそうなのが仮想通貨やデジタル通貨などデジタルマネー決済への移行です。

新紙幣は仮想通貨・デジタル通貨時代の幕開けに

企業が従業員に支払う給与に関して、デジタルマネーが解禁される動きがあると2018年10月24日の日本経済新聞の記事で伝えられたことが巷で話題になっています。つまり、銀行の口座を経由することなく、仮想通貨・デジタル通貨などでも給与を受け取ることができる時代が到来することを示唆しているのです。それは労働者にとっても変化が大きく、たとえば普段の電子決済に使うスマホさえあれば、給与の受け取りも支払いもすべてこれまでよりも簡単に対応できるようになると考えられています。

紙幣刷新は旧来システムの単なる継続というわけではなく、デジタルマネーの普及を促進し、社会のキャッシュレス化を加速させる大きな契機となるはずです。つまり、新紙幣への移行はデジタルシフトの第一歩の動きだと捉えるべきであり、一般の労働者の給与支払いや生活スタイルにも大きな影響を与えることになるはずです。

世界各国でキャッシュレス化が進んでいる昨今において新紙幣の刷新は、時代錯誤の逆行する動きのように思えます。しかし、各企業も新紙幣や硬貨へのシフトが容易ではなく、反対に仮想通貨・デジタル通貨などのデジタルマネーなど新しい仕組みに様変わりし、一気にキャッシュレス化が進むことも予想されます。そのため、社会で働くうえでは、労働者1人ひとりも今からキャッシュレス対応へのシフトを意識しておく必要があるでしょう。

 

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2020/02/24 更新

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