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日本独自の文化“行間を読む”ことの真意

海外、特に欧米では自身の思うことをはっきりと伝えることが良いとされる風潮があります。しかし、日本では相手の考えていることを“察する“ことが美徳であり、“行間を読む”“空気を読む”ともいわれる日本文化はビジネスシーンにも深く根づいています。日本においては相手の言葉や態度に隠された真意を読み取る力が仕事上でも重要視されているのです。

相手の考え・要求を敏感に感じ取ることが大切

何事にも協調性が重んじられる日本社会では、自分の意見や要求を強く主張する人はあまり歓迎されない傾向があります。そのため、独自の“行間を読む”文化が発達しており、“一を聞いて十を知る”という例えのように物事の一端から全体を理解するような察しの良さが求められます。 例えば、上司が多忙で詳しい説明をする余裕がないままざっくりとした指示を出してきたとします。そんな時、与えられた少ない情報やその場の状況からすぐに内容を把握し、求められている通りに仕事をこなせれば“有能な人材”と評価されるでしょう。あるいは、“壁にぶつかって困っているけれど誰にも相談できない”という同僚が近くにいた時、相手の状況を察する力があればいち早く手を差し伸べることができ、社内で信頼を得ることができます。 その他、取引先など社外の人とのやり取りでも、察しの良さは求められます。交渉や駆け引きは、相手の言葉を額面通りに受け取るだけでは成功しないでしょう。その裏に隠された真意を察知し、相手のニーズを汲み取ることによって初めてビジネスパートナーとして認めてもらえるのです。このように仕事をスムーズに進めるうえでは、相手の考えや要求をいち早く察知することが重要な要素となります。

重要なのは自分で気づき主体的に行動すること

“察する力”は日本社会において求められる社会人力ですが、その能力はどのようにして培えばよいでしょうか。まず、その場の空気や相手を取り巻く状況から相手の真意を総合的に判断しましょう。はっきりと結論を相手に伝えることが好まれない場合もあります。発せられた言葉だけでなく相手の表情や仕草、声色に十分注意を払ってください。“目は口ほどにものを言う”という言葉があるように、お世辞や気遣い、遠慮の裏に本音が隠されていることがあります。 ビジネスでは仕事の本質について自分で気づき、主体的に行動できる人材が求められます。その場の空気や言葉の行間を読み取り、自らが取るべき行動を素早く実践できるようにしましょう。そのような行動の積み重ねが信頼を生んでいくのです。

相手への理解を深め、仕事における信頼を得る

相手の考えや要求を敏感に察知し、求められている行動を取ることができれば、その人はあなたのことを“察しが良く気が利く人”と判断し信頼してくれるでしょう。また、与えられた情報が少ない中でも期待されている(もしくは期待以上の)パフォーマンスを発揮すれば、“仕事のできる人”として周囲から評価してもらえるかもしれません。 ビジネスマンとして大成するために“行間を読む力”は必須な能力と言っても過言ではありません。行間を読むことが苦手だと感じている方は、相手の言葉や態度に着目し、相手の心を察知する能力を磨いていきましょう。

2021/01/04 更新

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