部下や後輩から尊敬を集める人の立ち居振舞い

仕事はできるのになぜか部下や後輩にあまり慕われないタイプの人は、どの組織にも少なからず存在します。上司や先輩とだけと付き合っていると、困ったときに支えてくれる後輩や部下がいなくなってしまうでしょう。仕事を円滑に進め自身の評価を上げるうえでも、部下や後輩から尊敬を集める人材になることは必須の条件なのです。周囲から信頼され、頼れる存在となるためには、日頃からどのようなことを意識すべきでしょうか。

単純に魅力的な人は慕われる傾向に

部下や後輩に嫌われるよりも、慕われたいと大半の人が思うでしょう。部下や後輩に慕われるには、“人としての魅力にあふれていること”が重要となります。人が相手に対して魅力を感じるポイントはさまざまですが、「立ち居振舞いがしっかりとしている」「笑顔が素敵」「常に向上心を持っている」「言葉遣いがきれい」「いつも身だしなみが整っている」などが、上司や先輩の理想像として挙げられる項目です。 部下や後輩の視点で考えれば、下の立場のことをよく理解してくれるうえに、トラブルがあった際に全面的にサポートしてくれる上司や先輩には大きな魅力を感じるでしょう。「相手の視点で物事を考える」「目線を落としてわかりやすい言葉で指導してくれる」という対応ができる人は、部下や後輩からの評判だけでなく、社内外問わず一目を置かれる存在になれるでしょう。 もちろん魅力の感じ方は人それぞれ違うため、厳しくもしっかり指導してくれる人がいいと思う人もいれば、優しく丁寧に教えてくれる人がいいと考える人もいるでしょう。ただ、基本的に相手の視点に立って物事を考えられる人は、関わる人からの評価が高い傾向にあります。仕事においても相互理解が重要なので、相手へのアンテナを常に張り巡らせている人は、自ずと評価されやすい傾向にあるようです。

部下や後輩に好かれない人の特徴

常に相手の視点に立ち、思い遣りを持った行動ができる人が部下や後輩に好かれる反面、自分のことばかり主張する自己中心的な対応に終始する人は毛嫌いされる傾向にあります。部下や後輩から相談を持ちかけられたとしても、相手の話を聞かずに否定から入る人はその典型です。自分の主張ばかりを押しつけるので、相談を持ちかけた側としては納得ができる回答を得られないケースが多くなります。 また、相手によって態度を変える人も好かれない人の特徴の一つです。もちろん役職や相手との上下関係を考えれば、多少の振る舞いの差はあって当然だといえます。しかし、部下や後輩から好かれない人はその差が顕著だといえます。相手によって話す内容が180度変わることもあり、上司には丁寧に対応をしますが部下や後輩には雑な対応になってしまう人も中にはいます。そういった対応を繰り返していっても部下や後輩との信頼関係を築くことはできません。 他にも話しかけられても顔を見ずに片手間で話を聞く、曖昧な返事しかしないなど、忙しい時についやってしまいがちな対応ですが、部下や後輩から見れば誠実さが感じられないと思われても仕方がありません。すべての対応をパーフェクトにこなすことは困難ですが、そうした日々の対応の積み重ねが相手の印象を決定づけるので、日頃から周囲の人への接し方には気をつけるようにしましょう。

指導する相手に慕われるための秘訣

日々の立ち居振る舞いによって部下や後輩からの印象は決まりますが、慕われるようになるためには、一つひとつの対応を真摯に丁寧にこなすことが一番の秘訣です。相談ごとを持ちかけられたら、正面を向き合い相手の話を聞く――それだけでも部下や後輩の受ける印象が変わります。そのうえで相手を否定することなく、自分なりのアドバイスをしてあげましょう。アドバイスが役に立つかどうかも重要ですが、自分のために一生懸命に考えてくれる相手に対して人は信頼を感じるものなのです。 また忙しい時であっても適当な対応をすると、相手の印象は悪くなります。そういう場合は、忙しいので今は話を聞けない旨を正直に伝えましょう。その後、時間を作り自ら話しかけることで誠実な人であることが相手に伝わるはずです。その他にも日頃からコミュニケーションを図り、なんでも話しやすい雰囲気を作ることは相談を受ける側の基本になります。 仕事をするうえで能力の高さは重要なポイントですが、すべての仕事を一人で行うわけではありません。周囲と協力して物事を進めることは日常ですから、職場での人間関係を重視し、常に周囲への気配りを怠らないようにすることが大切です。そうした人こそが部下や後輩からも慕われ、下からの評判が会社からの評価にもつながっていくことでしょう。

2024/02/09 更新