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ビジネスで成功している人が実践している交渉術

契約や業務提携などを自身に有利な方向性に進めるためには、交渉術が不可欠だと言えます。対クライアント、対上司などさまざまなシーンで交渉が必要になりますが、そのやり方1つで結果が大きく異なることもあります。ビジネスで成功を収めるためにも、交渉前の準備を徹底することや自身の望む方向性に話を誘導するテクニックを身につけることが必要でしょう。ではビジネスで成功している人は商談成立のために、どんな交渉術を駆使しているのでしょうか。

基本を学べば口下手でも的確な交渉が可能

「交渉」という言葉を聞くと、口が上手い成績優秀な営業マンをイメージされる方も多いかもしれませんが、実は社会人のすべての業務において交渉は付き物です。他社とのやり取りだけでなく、納期、給与、異動、労働条件など社内事における交渉も数多く存在します。つまり、社会で働くうえで交渉は身につけるべき必須のスキルであると言っても過言ではありません。 口下手で交渉事を苦手にしている方も世の中には多く見受けられます。しかしながらトークに自信がない方は何も物事を饒舌に雄弁に語れるようになることを目指す必要はありません。要は交渉に欠かせない基本要素を抑え、相手と密なコミュニケーションを取る努力を怠らなければいいのです。口下手な人が交渉で相手と円滑なコミュニケーションを行うためには、まずは「事前に現状を把握」して「使う言葉をシンプルにする」ことを意識しましょう。 その第一歩として、「何を1番に相手に伝えたいのか」を話す前に自分の中に落とし込むことを心がけることをおすすめします。話すべき内容を正確に把握していれば、途中で何を話せばいいかわからない状況に陥りにくくなります。また、話す内容に多くの要素を含めてしまうと、一番伝えたいことが相手に届かない可能性があります。相手に伝えたいことが定まったら、余計な要素はなるべく除外してシンプルに伝えることに徹しましょう。

交渉がうまい人が活用している「PPR」とは

交渉術に長けている人は、要点を押さえてシンプルに話すという基礎をしっかりと取得したうえで「PPR」と呼ばれる方法を意識的に使っています。PPRは「Purpose(目的)」「Proposal(提案)」「Reason(理由)」の略称であり、それぞれ交渉を行ううえでの重要なポイントです。つまり、交渉においては「目的をはっきりさせて、自発的な提案を行い、その理由を明確に伝えること」が大切だと言えるでしょう。 交渉においては、どこに着地するかという「目的」を定めることが大切ですが、この時に複数の目的を設定することで「Aがダメなら、Bに着地できるように進めよう」といった柔軟な交渉ができます。目的を定めたら、その目的を実現するために、どのようなプロセスを辿れば良いのかという「提案」を行います。交渉にあたり、提案を用意しておくと相手のことを真剣に考えていることが伝わりやすいので、準備しておくことが大切です。また、目的と同様、提案もあらかじめ複数準備をしておくことで円滑な交渉の手助けになります。 ただし、いくら素晴らしい目的や提案をしたとしても、相手が納得してくれなければ交渉は成功しません。そこで重要となってくるのが「理由」です。理由を話す際には、MET理論と呼ばれるMerit(メリット)、Emotion(感情)、Threat(脅し)を交えることをおすすめします。交渉には多少の駆け引きが必要です。自分の提案にはメリットがあり、やらなかった場合の損失を感情豊かに伝えることでより提案理由を理解してもらいやすくなるでしょう。

意識すべきはお互いにメリットがある着地

交渉を優位に進めるための方法について紹介しましたが、その際に自分の事ばかりを主張するのではなく、しっかりと交渉相手の出方にも注意しましょう。交渉は相手がいて初めて成立するものなので、自身の提案や説明に対して相手がどのような反応を示すか、その時の声や表情、態度はどうだったかをしっかり観察をしておく必要があります。 観察をして相手が納得している表情であればそのまま交渉を進め、不服そうな態度またはよく理解ができていないような様子が見受けられたら、アプローチの仕方を変えるなどできる限り相手の気持ちを忖度する姿勢も交渉成功には不可欠です。また、事前準備の際に自分の伝えたいことだけではなく、相手の特徴についてもできるだけ事前に把握しておきましょう。 上手な交渉とは相手を論破して納得させることではありません。交渉をする際はお互いにメリットがあるかどうかを意識して取り組むようにしましょう。そして、対等なコミュニケーションによってこちら側の希望を可能な限り通しつつ、相手の意見も尊重してWin-Winの関係性になれるように着地させることを目指しましょう。

2021/01/18 更新

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