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炎上のリスクを避けたSNSの正しい利用法

近年、コミュニケーションツールとして目覚ましい発展を遂げているSNS。友人や家族、職場の仲間同士で情報共有できる点は非常に便利ですが、その反面、思いがけないトラブルに発展するケースも増えてきています。不用意・不謹慎な投稿によって、インターネット上でいわれもない批判を浴びたり、重要な機密情報が漏れてしまったりするケースが多発しています。SNS投稿は常に炎上の危険性を孕んでいるのです。

楽しいはずのSNSが一転して“悪魔のツール”に

2016年8月に株式会社ICT総研が発表した「2016年度SNS利用動向に関する調査」では、2015年末時点でのSNS利用者は6,488万人。この数字はインターネットの利用人口に対して65.3%になります。ICT総研のアナリストによる分析・推計では、今後の利用者数は2016年末で6,872万人、2017年末で7,204万人、2018年末で7,486万人とさらに増え続けていく見込みであるという報告結果が算出されています。

多くのユーザーがサービスを楽しんでおり、その輪がさらに広がることが予想されるSNS。ただ、便利さとは裏腹に大きな落とし穴があることも忘れてはなりません。大半の方はSNSに関して友人、家族、恋人、同僚らをコミュニケーションの対象としていますが、インターネット上の情報は見知らぬ人が検索し、閲覧できる可能性があることを肝に銘じる必要があります。身内のやり取りで盛り上がり、誰に見られるかもわからないSNS上で“不適切な投稿”をしてしまうケースも珍しくないのです。

知り合い同士では問題ない投稿であっても、他人から見れば不適切であったり、不快に感じたりしてしまうことは十分にあり得ます。インターネット上では常に気を配るべき“他者への配慮”を忘れてしまうとトラブルのもとになってしまい、場合によってはあなた個人だけではなく、家族、勤務先にまで悪影響をおよぼすことにもつながりかねません。

SNSの投稿がトラブルに発展するパターンとは

トラブルの危険性を常に孕んでいるSNSですが、実際に投稿がトラブルに発展するパターンとしては、大別して2つあります。1つは友人や知り合い、会社の同僚、上司、取引先の人など面識のある人との間のトラブル。そしてもう1つはまったく面識のない人とのトラブルです。

面識のある人とのトラブルとしては、SNS上で友人や知り合いへの誹謗中傷、会社や上司の悪口、批判、取引先との機密情報の漏えいなどが他者を通じて、間接的に当人の目に触れることによって生じます。情報のコピー&ペーストや拡散が簡単にできるSNSでは、対象者を含まずにやり取りしても、その内容を広める人がいた場合は情報が簡単に外部に漏れます。特にビジネスシーンでは取引先との機密情報が漏えいしてしまうことで、会社に大損害を与えるトラブルに発展する可能性が大です。

面識のない人とのトラブルに関しては、たとえば宗教や政治、社会的な事件に対して不用意な投稿をすることによって発生するケースがあります。配慮の足りない投稿によって、関係者の気分を害してしまったり、友人同士でのちょっとした悪戯を投稿してしまうことで社会的な問題となったりとその影響の範囲は計り知れません。「飲食店にあるソースや醤油差しに直接口をつける」「コンビニの冷蔵庫に入る」といった投稿をご覧になった方もいるかと思いますが、メディアでも取り上げられるほど情報が拡散することもあります。

社会人の自覚がなければSNSを止めるべき

上述したように、SNSは多くのトラブルのもとになりうるだけに利用する際には細心の注意が必要です。SNSを利用するうえで、「一旦投稿した情報はすぐに削除しても拡散されてしまう恐れがあること」「身内だけに向けた投稿であっても、世界中の人に閲覧される可能性があるということ」の2点はもっとも気をつけるべきことだといえます。

特に仕事に関する投稿は、自分としては何の気なしに行ったものであっても、それが後々大きなトラブルに発展することも十分にあり得ます。投稿内容によっては会社の存続が危うくなってしまうほどに、大打撃を受ける可能性があることもしっかりと認識しましょう。

SNSは自分が投稿できる範囲を制限するなどしっかり管理していたとしても、それを閲覧した人が内容を拡散してしまう可能性もあります。そのため、SNS上で投稿をする際には限られた友人にのみに伝えるつもりでも、万が一第三者に見られたとしても社会人として恥ずかしくないものでなければなりません。もしそれを徹底できないのであれば、SNSを止めるべきでしょう。たった1回のSNSの投稿で社会的信頼を失うことは決して珍しくありません。SNS上での軽はずみな投稿を控え、楽しんで使える情報共有ツールとして活用することを心がけましょう。

2020/11/16 更新

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