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ビジネスシーンで使える交渉術その1

ビジネスシーンで使える交渉術その1

社外でも社内でもビジネスにおいて交渉の場は付き物。自分の意見や主張を貫くため、商談を成立させるために交渉のテクニックを身に付けることは不可欠です。今回は「一貫性の法則」「フット・イン・ザ・ドア」「ドア・イン・ザ・フェイス」を中心に考察しています。

ビジネスにおいて重要となる一貫性の有無

人間は一度自分で発した言葉や行動に対して一貫性を保とうとする習性があります。自分で決めたことに対して逆らいたくないという意識が芽生え、以前に発した言動との整合性をとろうとするのです。これを「一貫性の法則」といいます。

特に営業職の方が活用すべきクニックであり、クライアントとの商談で合意を得る際に非常に有効です。商談の場では合意を多く得られれば、失注率は間違いなく下がります。つまり一貫性の法則を利用して合意を連続して獲得していければ、ビジネスにおいて成功できる可能性が高められるのです。

よくある営業トークで「以前に訪問した際におっしゃっていましたが」というフレーズがありますが、これも一貫性の法則を利用しています。そのフレーズを言われた相手は、前に自分が発言した内容を覆したくないという心理が生まれるため、断りづらくなります。そのため格段に相手からYesを引き出しやすくなるのです。

一貫性の法則を利用した「フット・イン・ザ・ドア」とは?

一貫性の法則を利用した、より実践的なテクニックとしては「フット・イン・ザ・ドア」が挙げられます。これは訪問販売のセールスマンが、家のドアに足を入れることができれば勝ちという考え方に由来しています。

たとえば、あなたの家に訪問販売の営業マンが来たとしましょう。断るつもりだったけど、「話を聞いてもらえるだけでいいんです」という謳い文句に家のドアに足を入れられたので、話だけを聞くことにしました。家に入れることを許可するとその後も営業マンの口車に乗ってしまい、結局必要もないのに羽毛布団を買ってしまった――という流れこそが「フット・イン・ザ・ドア」を駆使したテクニックなのです。

上記のシチュエーションでは、家に入れるという第一段階のYesを許してしまったことで、営業マンが商談を有利に展開することができました。「話を聞いてもらうだけ」という小さなYesを獲得して相手が断りにくい状況を作り出し、最終的には「羽毛布団を購入してもらう」という真の狙いを実現させました。人間は一度でも要求を飲むと、次回以降も要求を飲んでくれる確立が高くなるのです。

フット・イン・ザ・ドアの反対の手法「ドア・イン・ザ・フェイス」

ただ、Yes取りの方法としては他にもあります。なかでも有名なのが、「フット・イン・ザ・ドア」と対称にある「ドア・イン・ザ・フェイス」というテクニックです。フット・イン・ザ・ドアは小さな要求を積み重ねていくことで徐々にコミットして最終的に大きな要求を通すやり方ですが、フット・イン・ザ・ドアはその反対で最初に断られる前提で大きな要求をお願いするのです。

たとえばですが、あなたが道ばたで知らない人にいきなり「生活費に困っているので1万円ください」とお願いされたとして、実際にあげる人が何人いるでしょうか? きっとほとんどの人が断るはずです。ただ、その後に「1万円が無理なら、電車賃の100円だけくれませんか?」とお願いされた場合、「まあ、100円だったら」と思ってしまう人も中にはいるのではないでしょうか?

上記のドア・イン・ザ・フェイスの手法はまず無謀ともいえる大きなお願いをして、その後の真のお願いを通しやすくするというものです。相手の頼みを連続して断ることに人間は気が引けてしまうものであり、大きなお願いは受けられなくても、小さなお願いなら「まあ、それならいいかな」という心理に陥りやすくなります。“ダメ元”という言葉がありますが、ダメ元を利用して本題の話をスムーズに通すためのテクニックといえます。

“相手の心理を読むこと”で有利に進む交渉

今回は「一貫性の法則」「フット・イン・ザ・ドア」「ドア・イン・ザ・フェイス」の3つの交渉のテクニックを紹介しましたが、それぞれに共通することは“相手の心理を読む”ことです。商談や交渉を自分の望む方向に進めるためには、相手の同意をいかに引き出せるかがキーになります。上記の3つのテクニックはいわゆる“Yes取り”がしやすい手法であり、相手を自分の進めたい方向性に取り込みたいときに活用してみましょう。

ビジネスにおける商談は主に営業職の方が行うものですが、交渉のテクニックはすべての職種の人にとっても役に立ちます。たとえば上司との待遇や評価基準に関する交渉、他部署への協力要請に関する交渉、制作者への納期変更における交渉など、ほとんどのビジネスシーンで交渉のスキルは必須ともいえます。

仕事を円滑に自分の思い通りに進行させるためには、ともに働くビジネスパートナーを納得させることが重要です。上司、同僚、部下、お得意先・提携会社の方々など仕事では多くの人と関わります。そうした人間関係を良好に保ちつつ、自分の進めたい方向性で業務を遂行していくためにも、ビジネスシーンにおける交渉術の習得は非常に重要だといえます。

2016/04/30 更新

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