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社会の一員として習得すべきスマホリテラシー

日本でコミュニケーションの手段としてスマートフォンを持ち合わせている人は約8割になりました。もはや若者はもちろんのこと、すべての世代にとって必需品となったことは明らかです。ビジネスシーンにおいてもスマホの利用はごく当たり前になりました。しかしその一方でTPOをわきまえないマナー違反の使い方をする人(スマホリテラシーがない人)も増えてきているようです。社会人としての節度を守ったスマホ利用とはどのようなものでしょうか。誰もが持っている日常的なツールだからこそ、他者に迷惑をかけないように使用することが求められます。

スマホ保有が当たり前の社会における新しい常識とは

総務省が発表した「2015年度版情報通信白書」によると、20代のスマホ保有率は94.5%。30代でも92.4%と若者世代の実に9割以上の人がスマホを所有しているという事実が報告されています。また、同じ総務省による「2017年度版情報通信白書」の年齢別インターネット利用の目的、用途を見ると、20~30代の約90%がメールの送受信を行い、20代の約80%、30代の約70%が何らかのSNSを利用していることがわかりました。 これらの結果を見る限り、特に若い世代でのスマホの所有、メールやSNSの利用はごく当たり前のことであり、彼らが学生から社会人になったとしてもその傾向は変わることはないでしょう。むしろスマホでのインターネット利用が増大化することで新たなビジネスや文化が生まれるなど、拡大路線は留まることを知りません。しかし、会議中や上司・先輩の指導中にスマホを触る癖がある若者が増えているなど、“スマホ依存”という新たな問題も発生しています。 節度をわきまえずにスマホを利用したり、SNSで機密事項や他人のプライバシーを拡散したりする若者が後を絶たないため、企業によっては、SNSの利用や就業中のインターネット利用を禁止しているケースもあります。しかし、それではインターネットからビジネスの情報を集められず業務に支障をきたすことにもなりかねません。スマホはすでにビジネスにも欠かせないツールになっているため、重要なのは“禁止する”ことではなく“ルールに則って使用する”ことなのです。

特に注意すべきはネットリテラシーの欠如

スマホの節度のない利用について社内でのマナー違反程度で済むのであれば、まだそれは大きな問題には及びませんが、インターネット利用においては明確に線引きをする必要があるでしょう。特に問題となっているのは、若者世代のネットリテラシーの欠如です。今の20代は10代の頃から当たり前のようにインターネットを利用してきましたが、慣れている反面、ネットに対する危機意識が低いという懸念があります。その最たる例がSNSによる投稿を発端とする炎上騒ぎです。 TwitterやInstagram、Facebookなど世界中のユーザーが閲覧するメディアに、不謹慎な投稿をしたり、機密事項を漏えいしたり、といったことから炎上を招くという事態が多発しています。そうした若者の認識の甘さは、常にインターネットが生活において身近にあった世代だからこその特徴であり、それは「不特定多数の人に見られる」という本質的な危険を十分に理解していないことに起因しています。 もし自社の社員によるSNSでの機密情報の漏えいが起きた場合、会社の経営にとって致命的なダメージになる可能性もあります。単に利用を制限するのではなく、「インターネットとどう向き合うべきなのか」というところまで落とし込んで理解することが重要になります。これがいわゆるネットリテラシー教育です。スタッフのSNSの利用を社内ですべて監視するのは非常に困難なだけに、どの企業でも社員教育の一環としてネットリテラシー教育の導入が検討される時代と言えるでしょう。

時代に合った使用と厳格なルールの確立を

スマホリテラシーと一口に言うと、単なるマナーの問題のようにも思えますが、SNSなどインターネットを通したオンライン上のマナー違反は企業に多大なるダメージを与える危険性があります。もはやビジネスにおいてもスマートフォンは欠かせない情報ツールとなっていることも事実ですから、単に使用を制限することは得策ではありません。 SNS使用は、個人のいかなるアカウントにおいても反社会的な言動は控えること、会社の個人情報などの機密情報を絶対に漏らさないことなどの厳格なルールを定めるべきでしょう。社内におけるスマホの利用ルールなどは時代の変化とともにより柔軟に対応することも必要ですが、社会的な問題になるようなオンライン上のマナー違反は見逃せません。 単にスマホ利用を制限することは時代に合った対策ではありません。重要なことは、リスクを十分に理解してもらったうえで、社員一人ひとりが会社の代表であるといった自覚を持って日々のスマホ利用を心がけることなのです。

2021/04/09 更新

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