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目的を意識すれば向上する仕事の質

特に若手社員によく見られる傾向ですが、受けた仕事を最終的にどういう形にするかということを十分に理解しないまま、作業を進めてしまい失敗に終わることがあるかと思います。自身ではわかったつもりになっていても、それは部分的であって、求められている最終目的を正しく認識できていなかったことが原因でもあるのです。仕事がうまく行かない場合はまずは一度立ち止まって、自身が今やっている仕事が、目的地に向かった路線上にあるかどうかを振り返ってみましょう。そして、仕事に対して十分な理解ができているかを確認することが大切です。

理解不足は円滑な業務の妨げになる

仕事においてミスが生じる原因は1つではありません。中でも根本的に改善すべきなのは、話をしっかりと聞いておらず、理解が不足している状態のまま業務を進めることによって生じるミスです。仕事には必ず目的があるにもかかわらず、その本質を理解しないまま仕事を進めるとミスにつながるリスクが極端に高まります。 最も危険なのは、“理解したつもり”になっていることです。きちんと内容を把握できていなかったことが後々になって発覚するため、確認作業が余計に増えるなど全体の工程に影響する場合もあります。今やっている仕事が、最終目的に向かう途中のどのあたりに位置するのかを意識して、何のためにこの工程・仕事をやっているのかを確認しながらやっていけば、本質から逸れることはないでしょう。組織内でホウレンソウをはじめ、確認作業を常に行いながら進めていくことが大切です。独りよがりな解釈で周囲とも連携しないまま仕事を進めてしまうことによって、とんでもない事態を引き起こしてしまいます。修正不可能なところまで達してしまう前に、進行中の仕事が本質から外れていないかを、確認するスキームを整えることも重要です。社内のみならず取引先にも迷惑がかからないよう十分に理解力を深めていきましょう。

想像力が理解を深める

仕事をスムーズに進めるうえで重要になるのは仕事の目的・本質の理解ですが、理解力に優れている人にはどのような特徴があるのでしょうか。理解力に優れた人と乏しい人の決定的な違いは、相手の話を素直に聞くことができるかどうか、また想像力があるかどうかです。理解力に乏しい人は常に自分の価値基準を中心にして話を聞く傾向があります。そのため、相手の話を的確に受け止めることができないまま仕事にとりかかります。そうして認識のズレが修正されないまま、最終目的とは違った方向に進んでしまいます。 一方の理解力に優れている人は、相手の話を素直に受け入れる点が特徴です。そのうえで自分の知識や経験と照らし合わせ、わからないことがあればその時点ですぐに確認を取る習慣が身についています。そのため、どの点が理解できていて、どの点の理解が不十分なのかが明確で相手にも伝わりやすくなります。共通認識を持ちやすくなり、意思の齟齬も限りなく少なくなるでしょう。もし、間違った方向へ進んでいたとしても、想像力があれば、軌道修正ができます。 相手の話を理解することは、相手が伝えたいことと自分の考えを関連づけて筋道を作ることです。それぞれの点で散らばった情報がうまく一本の線でつながった時に初めて理解が成立します。つまり、自分の知識が豊富だからといって必ずしも理解力が高いわけではありません。相手の話を素直に聞く柔軟性、頭の回転の速さ、記憶力などを総合的に持ち合わせた上で想像力を駆使している人は理解力が高い人だと言えます。

不測の事態に対応するためには

仕事には予測できない事態が起こることも多々ありますが、その際に求められるのは、事態を理解し、臨機応変に対応できる冷静さです。 学生時代の勉強は公式や数式などの一定の法則をしっかりと覚え、歴史上の出来事をより多く記憶していることが重要でした。しかし、社会に出るとペーパーテストのように範囲が決められているわけではなく、常に直面する新しい問題に日々向き合っていかなければなりません。業務マニュアルだけを記憶していても対応できない場合の方が多いでしょう。 また、自分一人で対応できなければ、「誰に聞くべきか」「何を調べればよいか」といったことも同時に考える必要があります。現在起きている事象に対して、点と点を結びつけて一本の線で筋道を立て問題を解決できるようになるには、その先に起こりうる未来予測、想像力を培うことが大切でしょう。

2021/02/22 更新

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